好き嫌いは性格や体質の問題では無い!
前回のコラムで「何でも食べる子は長生きな子が多い!」とお伝えしました。もちろん例外はあります。人間でも同じです。でも確率的な事を考えると、間違い無く何でも食べる子ほど長生きします。
その根拠として代表的な例が腎臓病発症時の食事です。高齢期に差し掛かって来た頃に、犬にも猫にも非常に多いのが腎臓病です。
体調不良が原因による診察や、定期的な健康診断の際などに、一般的な血液検査の結果で診断を受ける事になります。
初めは特に投薬も無く様子見になる事が多いですが、病状を悪化させない為に非常に大切になるのが食事制限、いわゆる食事療法です。
ストルバイトなどの尿路結石が見つかった時も同じですが、腎臓病も一緒で1日でも早くに食事療法を行う必要があります。
ですが、日頃から好き嫌いをしている子は、食べさせないといけないフードを食べてくれず、食べるフードを探している間に病状が悪化する事も。でも好き嫌い無く何でも食べてくれる子の場合はその日から食事療法が可能となります。
このような事も「何でも食べる子は長生きな子が多い!」と感じる理由となります。
また、「何でも食べる子」と「好き嫌いをする子」の違いを性格だったり体質と勘違いをなされている方が多いですが、その違いは日頃からの飼い方(育て方)です。
どうすれば何でも食べる子になるの?
好き嫌い無く何でも食べる子に育てるにあたって最も大切なのが、食事の主導権を飼い主側が握ると言う事です。
愛犬や愛猫が欲しがる物を与えるのでは無く、また欲しがる時に与えるなど、食事の主導権を犬猫側に与えてはいけません。
しっかりと飼い主側が食べさせる時間を決め、食べさせるフードも決めないといけません。また、おやつやご褒美などの間食も、欲しがるから与えるのでは無く、必要最低限の量や回数で、本当に与える必要があると思った時だけに与えるようにしないといけません。
あと、食事の量(フードの量)はカロリーを計算して与えるのでは無く、痩せず太らずの理想の体重が維持出来る最低限の量を与えるようにしてください。結果、量が少なくて満腹にならなくても良いです。食後に足らなさそうにお皿を舐めまわしていても気にする必要はありません。それを1日2回繰り返すだけで「何でも食べる子」になります。
そうすれば、言葉は悪いですが「常に飢えている」状態となり、待ちに待った貴重な食事の時間には何を出されても喜んで食べるようになります。
満腹になれない事を可哀想に思うのか、いざと言う時に食事療法を行えず病状が悪化してしまうのを可哀想に思うのか。
好き嫌いをする子ほど太っている!
はっきり言って日本で生活している犬猫の大半が太っています。特に好き嫌いが激しくフードを食べない子ほど太っています。理由は簡単です。おやつを与え過ぎたり、欲しがる時に欲しがる量のフードを食べさせているからです。
愛犬や愛猫が太っている原因を運動不足とか体質とか言う人が居ますが結局は食べ過ぎなければ太りません。
運動不足なのであれば食べさせる量を減らせば良いですし、太りやすい体質なのであれば食事の量を注意してあげれば良いだけです。結果的に太っているのであれば、それは食べさせ過ぎです。
日頃からそのような食生活をしていればフードの選り好みも激しくなり、いざと言う時の食事療法も思うようにはいかないです。あれやこれやとサンプルを取り寄せては試し、小さなサイズの製品を試しで購入しては数回しか食べずに無駄にする。
このような事から「何でも食べる子は長生きな子が多い!」ですし、何でも食べる子ほど太っていません。如何に日頃からの食生活が大切かをお分かりいただけたかと思います。
可愛いからと言って甘やかしていると後悔する時が来るかも!ですよ。くれぐれもご注意ください。