コラム


このコーナーではわたくし「店長」が、皆様に知っていただきたい情報などを配信してまいります!

更新は不定期ですが是非お楽しみください!!


記事一覧

外耳炎対策
日和見菌って???
コレステロール値の指摘について
尿路結石の最大の天敵は「偏食」
空腹時の嘔吐を止めるには
シニア期に高たんぱく食は必要か???
猫の特発性膀胱炎を予防するには?
今更ですが、乳酸菌とは?
ドライフードの保存方法に悩む。。。
腎臓にやさしい食事とは?
「好き嫌い」や「偏食」の原因は何?誰?
ストルバイト予防食は自分で見つけられる?
ストルバイトを予防する食生活とは?
摂取カロリーを気にするな!
乾いた食事だけでは不安です!
メーカーの言うとおりにする必要は無い!
好き嫌いの何が悪いの?
シニア(高齢期)用のフードの使い方
ビタミンCは必要なのか?
腎不全は便秘で悪化する?!
アレルギーの付き合い方
ローテーションは必要なのか?
【追記ありの再更新】ビートパルプについて
腎機能低下を早期に発見出来る検査が登場?!
とろもろこし(コーン)は本当に悪者なの?
製品について良くある質問をご紹介
尿検査でストルバイトと診断されたら!
オメガ3脂肪酸を理解しておこう!
「フードを食べない」のは間違っているから!
牛乳と乳酸菌
嘔吐の原因って???
今更聞けない「グルテンフリー」と「グレインフリー」
猫の便秘を解消するフードとは?
食物アレルギーを疑うならまずは〇〇の摂取!
うちの子だけ???
メーカー(販売元)の脅しには気をつけろ!
店長は本気で怒っています!!!
正しい猫のご飯の与え方
犬のこんな咳には注意が必要です!
2018年もお世話になりました!
今年最初のコラムもやっぱりこのネタ!
腎不全と診断された猫の食事について
それ本当にアレルギー???
腎臓の負担軽減で腎不全対策を!
膵臓(すいぞう)を大切にしよう!
簡単なダイエット方法教えちゃいます!
便秘解消の秘訣は!?
愛犬のその仕草、見逃さないで!
そのおやつの与え方で大丈夫?
ストルバイトの原因はマグネシウムでは無い!
フードは一日に何グラム与えるのが良いの?
これからの季節に増える膿皮症の対処法!
去勢手術、避妊手術ってどうなの?
ちょっと偉そうな事を言わせてもらいます!
その「しつけ」って本当に必要ですか?
原材料表記の先頭はお肉で無いとダメ!なの?
こんな商品嫌いです。絶対売りません!
食べないのは本当に粒が大きいのが原因?
25年間のペットフード事情を振り返る
消化酵素の摂取をうるさく提案する理由は?
心臓病の食事で気を付ける事は?
負のスパイラルに陥らないようにご注意ください!
尿のpHと食品のpHについて
猫の外飼い(放し飼い)は絶対にダメ!!!
正しい子猫のご飯の与え方
猫の慢性腎不全のお食事について
犬の慢性腎不全のお食事について
お水は水道水?ミネラルウォーター?何が良いの?
涙やけを解消する簡単な方法!でも。。。
まさかトイレットペーパーが買えなくなるとは・・・
ストルバイト結石の原因はフードのせい?
ご飯の与え方でお悩みの際はお気軽にご相談を!
免疫、免疫って。免疫ってそんなに大切なの?
全年齢対応のフードについて考えてみました!
病院のフードを食べません。。。と言う方へ
これは獣医さんに言われてもやっちゃだめ!
ドライフードが嫌いだから食べないのではありません!
猫の便秘の原因をお教え致します!
何故太るか知ってますか?
やっぱり予想通り気温の上昇と共に急増しています!
子犬用や子猫用っていつまで?
どうしてうちの子は好き嫌いをするの?
「粒が大きくて」とか「長期間食べ続けて飽きた」とか・・・。
お水を沢山飲ませてストルバイトを予防する方法!
店長の愛犬・愛猫は何を食べているの?
こんな時はかるーい断食を取り入れてみてはいかが?
犬の外耳炎の治し方
食後しばらくして食べた物を吐くのは何故?
用意する食事のお皿は1個だけ!!!
食物アレルギーよりも食物不耐症に注意して!
心臓病の犬は太る方が良いの?
犬の胆泥症を解消する食事はこれ!
フードの年齢表示にこだわらないで!
猫の甲状腺機能亢進症について
若い内に好き嫌いを無くさないと大変な事に!
心配になりますよね。でもまずは落ち着いて!
犬猫のシュウ酸カルシウム結石予防法!
ウエットフードは低たんぱく?
一度に沢山食べられない原因は???
白内障が気になり出したら・・・。
勘違いしやすいので解説します!
ご飯は手であげてはダメ!
10歳近くになったら注意をしてあげて!
若い頃は吐かないけど・・・。
太っている事を「●●」とは言ってはいけません!
尿路結石対応って書いていれば安心なの?
綺麗なうんちが出るフードで安心?
糖尿病は犬と猫で食事療法は異なります!
まだまだ暑い日が続くこの時期に気になるあれこれ
無責任な情報を信じるな!
こんな薬の飲ませ方をしてはいけません!
猫にとって必要なカロリーってどれくらい?
体に良い物も悪い物も量次第って事ですね。
食べない原因は何ですか?
水分摂取不足が原因の結石(ストルバイト)を解消するには?
1日に5回も6回もご飯をあげる必要あります?
一年の中で最も注意が必要な季節がやってきました!
一年の初めだから言っちゃいます!
まずは適量を見つけましょう!
無料サンプルの誤った使い方はしていませんか?
知っていて欲しい猫の恐ろしい病気
本当の原因を見失ってはいけません!
空腹時の嘔吐を恐れるな!
勘違いをされやすい原材料たち
去勢後の猫の食事について
愛犬への必要の無いご褒美ベスト3!
最低限のマナーも守れないなら飼わないで!
高齢猫が痩せてきたら
高齢犬が腎不全と膵炎を併発した時の食事は?
食べない事も治療のひとつです!
缶詰を食べない猫でもこうすれば食べる!
当店のアレルギーについての考え方です。
毎日の積み重ねが・・・。関節を守ろう!
何度も言いますが結石と水分摂取量は関係ありません!
カロリーを気にしても意味ないですよ!
どうして好き嫌いをするのかを考えてください!
膀胱炎を繰り返さない為の食事はこれ!
気にし過ぎると失敗しちゃいますよ!
ストルバイト結石の予防に成功!その後のフードは?
毎日飲ます薬だから頑張って!
猫に多い口内炎。食事で治せるの?
痩せるからって無理に食べさせてはダメ!
今年最後のコラムですが、改めて・・・。
この思い込みは本当に危険です!
「多頭飼いだから置きエサ」は言い訳です!
不規則な食生活は病気の発見を遅らせる事も!
与えるフードの量はこうやって決める!
食べ過ぎると出なくなるかも。。。
愛猫が腎臓病になったので食べるフードを探している方へ!
シニア用のフードを活用しよう!
ストルバイトの結晶に焦らないで!
愛猫が10歳近くになったら必ず検査をしてください!
運動不足なのであれば減らしてください!
夏バテで食欲が落ちるようであれば・・・。
食いつきの良いフードを探していても無駄!
当店で猫用の糖尿ケア(糖尿病サポート)のフードを売らない訳。
こんな謳い文句には注意をしてください!
それって良い事ですよ!
正しい子犬の育て方
自動給餌器は便利なようで・・・。
食生活を見直すだけで改善する事も!
成長期の子猫への正しい食事の与え方!
新入りさんを迎えるにあたって。
低脂肪が正義ではありません!
犬用・猫用に特別に作っています!って必要?
普通のフードってどんなの?
感覚がマヒしてきて都合の良い解釈を・・・。
食べない原因から目をそむけないで!
腎不全で食欲不振にはなりません!
こんな時、まずは絶食ですよ!
あなたの愛猫は草食動物ですか?
ストルバイトの原因と予防について。膀胱炎も。 第一章
ストルバイトの原因と予防について。膀胱炎も。 第二章
ストルバイトの原因と予防について。膀胱炎も。 第三章
ストルバイトの原因と予防について。膀胱炎も。 第四章
ストルバイトの原因と予防について。膀胱炎も。 第五章
缶詰(ウエットフード)の成分値の見方について
膿皮症や外耳炎の原因は何?
食べ過ぎているから太ります。当たり前です。
水を飲んでも尿路結石は治りません!
メリットよりもデメリットに注意を!
腎臓ケアのキャットフードはいつから与えるの?
避妊去勢済み用フードには要注意!
夏バテ対策の食事のご相談について
同じメーカーの製品だからと言って安心は出来ない!
1日でも早くに気付いてください!
素早く体調の異変を見抜く方法はこれ!
腎不全による食欲低下の際の食事について。
尿のpHを下げたいなら食べさせるな!
肝臓も腎臓も膵臓も一緒!
猫の肥大型心筋症について
病気に便乗した悪徳商法を許すな!

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ペーストやスープは与えてはダメ!
怒りが収まらない状態で書き出しておりますので、不適切な言葉遣いになっている場合はご容赦ください。
当コラムでは以前からペーストタイプのおやつに対し何度も苦言を呈してまいりました。あのような製品は犬猫の健康を阻害する要因にしかならないと。水分補給を名目にしたスープ製品も同じ!
ご利用になられた方はお分かりになられると思いますが、あのような製品を与えると日に日に主食の食べが悪くなります。結果、主食は置きエサでペーストタイプのおやつやスープでお腹を満たす生活に。
ですので、どれだけ巷で人気を博していようが当店では一切販売を行っておりません。もちろん今後も取り扱いを行うつもりは毛頭ありません。
今まではそれだけをお伝えしていれば気が収まっていたのですが、最近は愛犬愛猫の病気で悩む飼い主をターゲットにしたかのような悪徳商法が目立つようになって来ています。そのようなクソ商品を製造販売する会社を絶対に許してはいけません!




腎臓病に効果的なおやつなんて無い!
最近になって急増しているのが、「腎臓サポート」や「下部尿路ケア」「食欲サポート」など、体調不良でお悩みの犬猫の飼い主をターゲットにしたクソ商品。
効能が期待出来る成分を少量だけ配合して、「●●サポート」などと謳っていますが、製品を構成する主な内容が「反●●サポート」になっています。
更に過剰な「水分補給に最適!」のアピール。何度も言いますが真水以外の水分は水分補給とは言いません。栄養補給です。それも無駄な栄養の。
その無駄な栄養の補給は腎臓や肝臓、下部尿路、食欲のケアやサポートには明らかに悪影響です。
またそのような粗悪な製品のパッケージには決まって「獣医師が開発」とか「獣医師監修」「日本産無添加」などが記載されておりますが、そんな事はどうでも良いのです。
重要なのは、その製品が食事療法に役立つかどうか。病状の好転に繋がるのかどうかです。大したエビデンスも無いのに「●●ケア」や「●●サポート」と謳うのは詐欺と同じです。
嗜好性を高めたそれらの製品を摂取する事で食生活は必ず乱れます。結果、病状は悪化します。




売れている物が良い製品とは限らない!
今の時代、沢山のお店があります。沢山のネットショップがあります。その中には良い製品を扱っている優良店も沢山あります。
ですが、残念ながらほぼ全てのお店がペーストタイプやスープタイプの製品を販売しているのが現状です。
消費者の皆様の視点では、「あの店も売っているから安心な製品」「多くの店が扱っているから良い品」となりやすいと思います。
また、「人気商品と書いているから効果がある」「レビューの内容が良いから信用出来る」「多くの人が購入しているから大丈夫」などのお思いになられるお気持ちも充分に理解は出来ます。
しかし実際には売れている製品が良い品とは限りませんし、レビューの内容が良いから信用出来るとも限りません。(当店にもレビュー代行サービス業者からの偽レビュー代行の勧誘が増えています。)
ですので、謳い文句や宣伝文句に惑わされる事無く、本当にその製品が愛犬や愛猫の健康維持や体調の改善に必要か否かを見極めた上で、ご利用いただくようにお願いします。
また、大した知識や理念も無く、病気の犬猫を餌食にするクソ商品を製造販売する会社を儲けさせないようご協力をお願いします!


猫の3大疾患のひとつ。
猫にとってとても恐ろしい病気の代表格は慢性腎臓病ですが、その次に多いのが甲状腺機能亢進症です。
そしてもうひとつ注意が必要な病気が肥大型心筋症。もちろんそれら以外にも、リンパ腫や糖尿病、尿石症など注意が必要な病気は沢山ありますが。
この肥大型心筋症の恐ろしい点が、他の病気とは違って症状が出にくい事です。そして一般的な診察では見つかりにくいと言う点も非常に厄介です。
例えば、慢性腎臓病であれば、嘔吐や多飲多尿などの症状があり、体調不良を理由に血液検査を実施すれば診断が可能ですし、甲状腺機能亢進症の場合は、食欲があって元気なのに体重が落ちるなどから、ホルモン測定の検査をすれば発覚します。
しかし肥大型心筋症は殆ど症状が出ません。心臓疾患であるにも関わらず聴診での雑音が確認されない場合も多い為、病状が悪化して症状が見られるようになった時には既に命の危険が。なんて事もあります。




肥大型心筋症とはどのような病気?
肥大型心筋症は簡単に言えば、心臓の筋肉(壁)が分厚くなって、心臓内の空間が狭くなってしまう病気です。
コップも同じ大きさであれば、厚みが薄い方が容量が大きくなり、分厚くなると中身があまり入らないですよね。
それと同じで心臓の筋肉(壁)が分厚くなる事で、取り込める血液の量が少なくなり、全身に十分な血液が送れなくなってしまいます。
その結果、肺水腫や血栓塞栓症などに繋がる恐れがあるのですが、先にも述べました通り目立った症状が出ないのが肥大型心筋症の怖いところです。
その為、元気に見えていた子が突然亡くなるケースがありますが、この多くが肥大型心筋症が原因となります。
そんな恐ろしい病気である肥大型心筋症ですが予防法はあるのでしょうか?




肥大型心筋症の予防法は?
結論から申し上げますと、肥大型心筋症に予防法はありません。また、治療法もありません。
ですが、肥大型心筋症によって引き起こされる可能性がある肺水腫や血栓塞栓症などの予防は投薬によって可能な場合があります。
目立った症状が出ない為、初期段階での発見は非常に難しいですが、咳をしていたり呼吸が速くなっているなどの症状があれば、まずは主治医に相談をなされる事をおすすめ致します。もしくは、定期的に画像診断で心臓の状態を確認をしておくのも良いでしょう。
また、当たり前の事ですが、体重超過(肥満)は心臓に大きな負担を掛けてしまいます。太っているから肥大型心筋症になる訳ではありませんが、肥大型心筋症を患った際に、太っているか否かでは大きな違いが生じます。
健康な時から体重には注意をして、食事をしっかりと管理する事は飼い主として最低限の責任です。
「欲しがるから与える」は愛情とは言えません。我慢させる事も愛情です。くれぐれもご注意ください。


肝臓の数値が高い時は。。。
若い小型犬に多いのですが、肝臓の数値が高い子。
原因は飼い主様の甘やかしが大半です。殆どが同じパターン。
まず初めに陥る失敗が、トイレのしつけによるご褒美の与え過ぎです。小型犬の多くは室内でトイレをします。トイレで排尿をする度にご褒美でおやつを与えます。
トイレ成功のご褒美を1日に数回貰えるので、食事の時間にはあまりお腹が空いていないのと、食事(フード)よりもご褒美の方が美味しいので、食が進まなくなります。
その結果、食事の嗜好性をアップさせる目的でボイルした鶏肉を混ぜたり、フリーズドライの製品をほぐしてトッピングするようになります。結果的に食べるようになってくれたとしても、食生活は高たんぱく質に。
このたんぱく質に偏った食生活が肝臓の数値が上昇する原因です。高たんぱく質な食生活は胆泥症や胆石症などの原因にもなりますのでくれぐれもご注意ください。




腎臓の数値が高い時は。。。
腎臓病と言えば猫。と言ったイメージが強いですが、もちろん犬にも多い病気です。
「腎臓は消耗品」とも言いますが、悪くなれば治る事はありません。若い頃から如何に無駄遣いをしないかが大切です。
ここで言う無駄遣いとは何かと言うと、たんぱく質の摂取過多による腎臓のオーバーワークです。
若いから大丈夫と過信して、おやつを与え過ぎたり、お肉をたっぷりとトッピングをした食事を与えたりしていると、腎臓は早々に悲鳴をあげる事になります。
肝臓は数値が上昇してからでも間に合いますが、腎臓はそうはいきません。如何に若い頃から腎臓に負担を掛けない食生活が出来ているか否かで結果は大きく変わってきます。
好き嫌いをして食べないからと言って与えるフードを悩む前に、何故好き嫌いをするのか、どうして食べないのかをしっかりと考え直す事が大切です。




膵臓の数値が高い時は。。。
犬に多いのが急性膵炎。食事療法としては低脂肪食が推奨される事が多いですが、結局はバランスです。
低脂肪だからと言って高たんぱくではいけません。良くある間違いですが、急性膵炎の食事療法の際に、低脂肪のフードに鶏のささみや馬肉をトッピングするケース。
鶏のささみや馬肉が低脂肪の為、低脂肪であれば大丈夫と言う認識かと思いますが、たんぱく質の過剰摂取も膵臓に負担が掛かります。
膵臓の消化液の分泌を最小限に抑えられる食生活が急性膵炎にとって必要は食事療法となります。
その為には低たんぱく・低脂肪の食生活、更には食物酵素(消化酵素の経口摂取)が大切となります。如何に膵臓を休ませてあげられるかがポイントなります。

以上の事から、肝臓・腎臓・膵臓全てに対して高たんぱくな食生活は要注意となります。
但し、全ての高たんぱくフードを否定している訳ではありません。
高たんぱくフードを与える際は、たんぱく質の過剰摂取にならないように、必要最低限の給与量を意識してご利用いただく事をおすすめ致します。
逆に低たんぱくフードでも量を与え過ぎれば、結果的にはたんぱく質の過剰摂取になってしまいます。与える量の見極めも大切です。


尿のアルカリ化は膀胱炎やストルバイトの原因に!
当コラムでは何度も説明をして来ましたが、高たんぱく過ぎる食生活や、置きエサをしたり間食の与え過ぎなどのダラダラした食生活は尿がアルカリ性に傾き、膀胱炎やストルバイトの原因となります。
その為、繰り返す膀胱炎やストルバイトを解消する為には、間食は与えずに朝晩2回の食事を徹底する事が何よりも大切です。
また、「食いつき抜群!」や「犬(猫)本来の食生活!」のような謳い文句に釣られて、「お肉たっぷり!穀物不使用のグレインフリーフード!」を使用してしまいますと、食後の尿のpHが大幅にアルカリ性に傾き、1日2回の食事を徹底していても、膀胱炎やストルバイトを繰り返す可能性があります。
犬猫の健康を維持する為にはたんぱく質の摂取が大切ではありますが、頻繁や過度な量のたんぱく質の摂取は尿のアルカリ化に繋がりますのでくれぐれもご注意ください。




尿のpHを測定するタイミングは?
膀胱炎を繰り返したり、ストルバイト発症の経験がある犬猫の飼い主様の中には、ご自宅で尿のpHを計測している方も多いかと思います。その際に、1日2回の食事を徹底している且つ、適切なフードを食べせているのに、pHが思うような数値(弱酸性)を保ってくれない場合があります。
もちろん1日中、弱酸性を保つ必要は無いのですが、24時間の中で何度かは弱酸性を維持して欲しいところです。
ここで少し補足ですが、食後一時的に尿がアルカリ性に傾くのは大きな問題ではありません。食後のpHが7.5程度まで上昇していても大丈夫です。この時点で過度な心配は不要です。ですが、次の食事を与える直前の空腹時にはpHが弱酸性に戻って来て欲しいのです。
その為には、必要以上に尿がアルカリ性傾くような高たんぱくなフードを与えない事と、1日2回の食事を徹底し、空腹時間をしっかりと確保する事が大切です。
ですので、ご自宅での尿のpHの測定の際は、食後のアルカリ性に傾いているタイミングでは無く、出来る限り食前の空腹時でお願いします。また、病院で尿検査を受ける際も弱酸性を維持しているべき空腹時の尿で検査を受けるようにお願いします。




尿のpHが思うように下がらない時は!
適切な内容のフードを与え、1日2回の食事を徹底し、しっかりと空腹時間を確保しているにも関わらず、尿のpHが弱酸性に下がらない時は思い切って食事を抜いてください。
頻尿や血尿の症状が無ければ、頻繁に尿のpHを測定する必要はありませんが、膀胱炎やストルバイトが気になる時に尿のpHを測定し、食前にpHが高ければ1食~2食程度の食事を抜く事でpHは下がります。
尿のpHを測定していなくても、いつもよりも頻繁にトイレに出入りしていたり、排尿の姿勢になっても尿が出ていない状態が続いていれば、思い切って食事を抜いてください。1食や2食程度抜いても栄養失調にはなりませんのでご安心ください。それよりも尿のpHは食べなければ下がりますので、食事を抜く事でpHが下がり症状の緩和に繋がります。気になる場合は是非一度お試しください。


そんなすぐには食欲は低下しない!
猫の代表的な疾患である腎不全(慢性腎臓病)。長生きすれば全員が患うと言っても過言ではありません。
言い方が正しいかは分かりませんが、腎不全(慢性腎臓病)を患ってから、その後にどのような生活を行うかで余命が違ってきます。
飼い主とすれば当然1日でも長く一緒に居たいと思うはずです。その為に必ず必要となってくるのが食事療法です。食事療法と言ってもそれほど難しく考える必要はありません。
腎臓への負担が軽減された内容になっている腎臓ケアのフードを食べさせるだけです。
しかし!!!!その簡単な事が出来ない猫(原因は飼い主様)が非常に多いです。その原因は若い頃からの置きエサなどによる乱れた食生活です。
食欲が低下するイメージの強い腎不全(慢性腎臓病)ですが、余程の末期にならないと食欲は低下しません。
腎臓ケアのフードを食べないのは食欲の低下では無く、それまで間違った食事の与え方をしてきた代償です。




サンプルを探しているようではダメ!
腎臓ケアのサンプルをご注文いただく際に下記のようなメッセージをお書き添えいただく事があります。

「愛猫が腎臓病と診断され、食べてくれるフードを探しています。」「腎臓病の猫を飼っていますが病院の療法食を食べてくれずに困っています。」「腎臓ケアのフードを差し出してもいつもフードしか食べず困っています。」などなど。

無料サンプルをご利用になられる事を否定している訳ではありませんが、愛猫が食べるフードを探す為や、食い付きの良い腎臓ケアのフードを見つける為にご利用になられるのはおすすめ出来ません。
実際にそのような事をしてもおそらくどれも食べないでしょう。もし食べたとしても初めだけ。腎臓ケアのフードに限った事ではありませんが、愛猫が気に入るフードを探す目的で色々なフードを試しても結局はどれも長続きはしません。
いつも言っていますが、「食べるフードを探す」のでは無く「探したフードを食べさせる」のです。腎臓病の猫に対しても同じです。




まずは与え方を変えないといつまでも一緒!
「探したフードを食べさせる」為に必要なのが、空腹時間をしっかりと確保する事です。
置きエサをしていたり、1日に何回も食事を与えていたり、おやつやご褒美を間食として与えていたりしてはいけません。
食事を朝晩の2回に限定し、その他の時間帯は何も与えずに空腹時間をしっかりと保つように心掛けてください。
そうすれば約12時間に1回の食事が待ち遠しくなり、食事前にはお腹が空いた状態を作る事が出来ます。
思い当たる節がある方は、まずは「これを食べさせたい!」と思えるフードをお手元にご用意ください。
そして朝晩2回お皿に入れて差し出してください。差し出したお皿の中身を見に来て食べてくれれば話は早いですが、おそらく食べないでしょう。
その後、愛猫がお皿から離れればその時の食事は終了です。一口も食べなくてもです。一食程度食べなくても心配は要りません。過度な心配から、数分後や数時間後に再度お皿を差し出すような事は絶対にしないください。
そして次の食事の時間には同じフードを再度差し出してください。またも一口も食べなくても心配は要りません。二食続けて食べなくても大丈夫です。勇気を持ってお皿を下げてください。
そして次の食事の時間。再度同じ事をすれば少しだけでも食べるはずです。
食べない事を心配するよりも、現在の体調(腎不全)に適応していないフードを食べている事を心配してあげてください!お願いします。


食欲の有無を見分ける為に!
愛犬や愛猫の体調管理にとって食欲の有無の見極めは非常に大切となります。当たり前ですが。
しかし、その食欲の有無の見極めが難しくなる食生活があります。それは置きエサです。もしくは1日に5回も6回も食事を与えている場合です。
当然ですが、置きエサをしていると、いつでも好きな時に食事を摂る事が出来ます。その為、お皿にフードをつぎ足しをしてもすぐに食べ出さないので食欲が有るのか無いのかを見極める事が出来ません。
また、1日に5回も6回も食事を貰っていると、お腹が空いていなかったり、気が進まない時は食べる事を拒否してしまいます。その為、体調が優れずに食欲が無く、食べる事を拒否しているのか、たまたま気が進まずに拒否しているのかの見極めが難しくなります。
その他にはこんな事も。




それってフードが原因で食べないの?
食欲の有無の見極めと同じような話になるのですが、置きエサをしていたり、食事回数が多過ぎたり、間食を与え過ぎたりしていると、急にいつものフードを食べなくなる事があります。
そのような場合に、多くの方がフードに原因があるとお考えになられます。
具体的な原因としては、「開封後の品質の劣化(酸化)」や「製造ロットの違いによる中身の変化」「暫く続けているので飽きて来た」「粒が小さい(大きい)ので食べにくい」などとお考えになられる事が多いです。
ですが、もしかすると体調が悪くて、いつものフードを食べなくなっているかも知れません。でも常日頃から、食べたり食べなかったりを繰り返していると、食べない原因を体調の悪化による食欲不振とは考えにくくなってしまうのです。




間食を与えずに1日2回の食事を徹底していると!
当店が推奨している1日2回の食事を徹底していると、お皿を差し出したにも関わらず食べに来ないと言う事は有り得ません。
また、フードが酸化していたり、製造ロットの違いでにおいや香りが違うからと言う事で食べないと言う事もありません。出されたフードは絶対に食べます。
と言う事は、食事の時間になっても食べに来なかったり、お皿を差し出しても食べないようであれば、間違い無く体調不良による食欲不振です。
食べない原因をあれこれ考える必要は無く「食べない=体調不良」です。
その結果、素早く受診をしたり、必要な処置をする事によって、対応の遅れを解消する事が出来ます。
特に、「猫は好き嫌いをして当然」「猫はダラダラ食べるのが普通」「猫は一気に食べる事が出来ずに少しずつ食べる」などの誤った思い込みをされている方が多くおられますが、正しい食生活を実践出来ていれば、猫もお皿を差し出した瞬間にガッツいて食べます。それもどんなフードを差し出してもです。粒の大きさや形、硬さ、においなんて関係無く何でも食べます。
フードに好きも嫌いも好みもありません。お皿が空っぽになるまで夢中になって食べます。なので、食欲が無くて体調に異変があれば直ぐに気付く事が出来ます。
とても大切な事ですので是非1日2回の食生活の徹底をお願いします。


そんな甘い事を言っていてはダメ!!!
先日のコラム「夏バテ対策の食事のご相談について」でも書きましたが、「最近は夏バテでいつものフードを食べません。」は、暑さで食欲が落ちているのが原因では無いケースが殆ど!
また他には、「生後6ヶ月頃からトッピングをしないと食べないようになり食べる量が減っています。」「10歳頃から腎臓の数値が基準値を少し上回るようになりフードの食べが悪くなりました。」「新入りを迎え入れてから自分のフードを食べなくなりました。」「同居猫が食べているフードを欲しがって自分のフードを食べません。」「トイレ成功のご褒美は食べるが食事を食べません。」などなど、言い出すとキリがありませんが、これらは決して食欲が落ちている訳ではありません。
薄々気がついている方も多いのですが、これらは飼い主様の甘やかしが原因となります。
このような事で「最近は食欲が落ちているので何か良いフードはありますか?」や「フードの食い付きが良くなるトッピングでおすすめはありますか?」のような甘い考えをしているとこの先にきっと痛い目にあうでしょう。「食べない」=「食欲が落ちている」ではありません!




先を見据えた食生活をお願いします!
当店では常々、食事は朝晩2回、食べても食べなくてもお皿は5分程度で下げて、どれだけ残していようが次の食事までは何も与えず、食べない事を心配し過ぎ無いようにお願いをしております。また、日中はお腹が空いているのが当然で、欲しがるからと言って不規則に食事を与えたりせず、食事前には飢えた状態にしてあげる事が大切であるとお伝えしています。
ですが、過去に何度か「野良犬(野良猫)では無いのに飢えさせるなんて酷い事は出来ない。欲しがっているのであれば食事を与えるのが当たり前。」とおっしゃる方がおられました。
確かにお気持ちは分かりますし、「飢え」と言う言葉が適切では無いようにも思いますが、そのような食生活を徹底していただく事によって、フードの好き嫌いが無くなり、お皿に入れて差し出したフードは何でも食べてくれるようになります。愛犬や愛猫が若くて元気な頃はその重要性に気付く事が難しいかも知れませんので、「飢え」と言う言葉が不適切に感じるのだと思います。




今日から食事療法が出来ますか?
若い頃から甘やかし、欲しがる時に食事を与え、嫌がれば別のフードに変更、好きなフードを好きなタイミングで与えていたりすれば必ず好き嫌いをするようになります。
粒の大きさによって食べたり食べなかったり、いつも食べているフードなのに、製造ロットの違いでフードの香りや味が違っただけで食べなくなってしまったりと。
そのような食生活を行っている時に、急に体調が悪くなって検査を受けた結果、今日から食事療法をしないといけなくなったらどうしますか?
栄養の摂取制限が必要になって、今まで食べていたフードを与える事が出来なくなる事なんて珍しくはありません。
そのような時に、好き嫌いをさせずに育てていれば、瞬時に食事療法を行う事が出来、病状の回復を早める事が出来たり、症状の悪化を防ぐ事が出来ます。
逆に、若い頃から甘やかして来た代償で、好き嫌いが激しくて食事療法を行う事が出来ず、食べる療法食タイプのフードを探し続けていると言う方。サンプルを取り寄せては試し、小さなサイズを購入しては食べてくれずに破棄し続け、結局はどれも食べてくれずに食事療法を行えない・・・。明日は我が身。くれぐれもご注意ください。


くだらない製品を作るな!と言いたい。。。
具体的にどのメーカーの製品なのか明言は避けますが、療法食タイプのフードを含め良質な製品を数多く製造販売しているメーカーより猫用のペーストタイプのおやつが発売される事になりました。
更に、あのテレビCMを真似するかのように「スティックから"ちゅ~"っと直接」なんて事を謳い文句として言ってみたりして・・・。良い製品を展開されているメーカーなので非常に残念です。
但し、今回のような事は決して珍しくはありません。当店が以前から取り扱いをしているメーカーからペーストタイプのおやつが発売された事は過去にもございますし、他にも「何だこれ・・・。」と言う製品もあります。
もちろんどのような製品であったとしても与え過ぎなければ、身体にとっては大きな影響は無いのですが、大半の方が与え過ぎてしまうのです。1日1回であったとしても、物や量によっては与え過ぎになります。人間も1日1回であろうが毎日ケーキを食べれば食べ過ぎですよね。
犬猫の場合はペーストタイプのおやつを1日1本食べれば食べ過ぎです。特に小型犬や猫は高確率でフード(食事)の食いつきが悪くなります。更に、ペーストタイプのおやつを与える事による懸念点としては、舐めて食べる事が出来る点と手から食べさせてもらえる事です。この2点がお皿からカリカリのドライフードを食べると言う当たり前の食生活の妨げになります。また、このような製品を使用して薬やサプリメントを与える方がおられますが、薬やサプリメントを飲ませる事が出来たとしても、肝心なフードの食いつきが悪くなって健康管理が疎かになってしまうケースが多いです。
言い出すとキリがありませんが、使用なされる飼い主様にも責任はあると思いますが、一番悪いのは製造販売するメーカーです。特に健康志向を謳うメーカーがこのような製品を作ってはいけません。と個人的には思います。

と、言う事で、当店では信用信頼出来るメーカーの製品を取り扱っておりますが、取り扱いメーカーの製品だからと言って全てを推奨している訳では無いと言う事をご理解いただけますと幸いです。




成犬用は優良でも高齢犬用は・・・。
犬も猫もある一定の年齢に差し掛かると成犬用(成猫用)から高齢犬用(高齢猫用)のフードに切り替える事が多いと思います。その際に、大半の方が今まで使用していた成犬用(成猫用)と同じメーカー(ブランド)の高齢犬用(高齢猫用)に切り替える事になるかと思います。
ですが、実はこの時にはしっかりとフードの内容を見極める必要があるのです。今まで使用していたフードに高齢犬用(高齢猫用)があるので、「これで良いのね!」と簡単に決めつけてはいけません。理由は、成犬用(成猫用)がとても良いフードであっとしても、高齢犬用(高齢猫用)も同じだとは限らないからです。
当店では、出来る限り成犬用(成猫用)から高齢犬用(高齢猫用)まで安心してご利用いただけるメーカー(ブランド)のフードを取り扱うように心掛けていますが、高齢犬用(高齢猫用)があるにも関わらず取り扱いをしていないケースがあります。他にも、取り扱いメーカー(ブランド)からグレインフリーや泌尿器ケアが発売されていても、そのフードだけ取り扱いを行っていない事もあります。
そもそも療法食を含め、フードパッケージに記載する用途名などの謳い文句には何の基準もありません。
どのような基準をクリアすれば、このような記載が出来るかなどの定義は何もありません。
ですので、パッケージ記載の謳い文句を鵜呑みにせずにしっかりと内容を吟味してフード選びをする事が大切です。
今まで使用したフードと同じメーカーだからと言って安心・信用はせずに改めて内容を見極めた上でご利用になられる事をおすすめ致します。
尚、参考までに勘違いをなされている方が多い情報で「高齢犬(猫)でもたんぱく質は必要。しっかりと摂取するように!」があります。至極当然の内容なのですが、勘違いをしてはいけないのが「しっかり」であって「たっぷり」ではありません。「高齢犬(猫)でもたんぱく質は必要。たっぷりと摂取するように!」ではありませんのでくれぐれもご注意ください。


厳しい暑さの過ごし方は?
2024年7月。めちゃくちゃ暑いですね。夏なので暑いのは当然なのですが少し暑過ぎはしませんか?
油断をすると熱中症で倒れてしまうような危険な暑さです。それは人間に限らずもちろん犬猫も同じです。
特に高齢の犬には注意が必要です。24時間クーラー生活でも良いと思います。
猫に関しては窓を開けて日照を遮ってあげればクーラーは無しでも良いと思います。ちなみに我が家はそのような感じです。
推定16歳の愛犬は24時間クーラー生活、同じく推定16歳の愛猫は家の中で過ごしやすい場所を探して移動しながら過ごしています。他にも猫がいますが、その子達も自分の好きな場所を探して過ごしています。クーラーは無しです。
但し、必ずしも猫にはクーラーが不要だとは言い切れませんのでくれぐれもご注意ください。室内の温度や日照時間などを見てご判断をお願いします。




夏バテで食欲が落ちた時には!
「最近は夏バテでいつものフードを食べません。何か良いフードはありますでしょうか?」
この時期にはこのようなご質問を多く頂戴するのですが、犬猫に夏バテはほぼありません。熱中症はありますが夏バテは無いと考えていただいて結構です。
暑さが原因で食欲が無くなっているとすれば、それは夏バテでは無く熱中症です。早急に生活環境の改善をお願いします。
また、いつものフードの食べが悪い原因が他にあるにも関わらず、暑さのせいにしているケースも目立ちます。
例えば、暑がっているのにあまり水を飲まない事を心配して、氷を舐めさせたり、味の付いたスープを飲ませたり、水分補給を名目に果物を与えたりなどなど。水分補給と言ってペースト状のおやつを与える方も多いです。
結局、いつものフードの食べが悪くなっている原因は夏バテでは無く、食生活の乱れによる事が大半です。
余計な事をせずに朝晩2回の食事をきっちりと与えていれば夏だからと言って、いつものフードを食べなくなるような事にはなりません。
実際に我が家の犬猫達はこの猛暑の時期でも食欲旺盛です。それも結構な老犬・老猫ですから。




夏場の甘やかしを後悔しないように!
特に犬に多いのですが、夏場の甘やかしの代償として、その後に体調を崩す子を多く見て来ました。
例えば、子供さんがおられるご家庭では学校や幼稚園が夏休みの為、毎日家でお昼ご飯を食べます。その際に、いつもなら何も食べる事が出来ない犬猫達にもおやつを食べさせたり、いつもは与えないお昼ご飯を食べさせたり。
その他にはカップ型のアイスクリームを食べる際に蓋の裏を舐めさせたり、スイカやブドウを少しのつもりで与えてしまったりと。
その結果、夏休みが終わる頃には体重が増え過ぎてしまったり、1日3回の食事が当たり前になってしまって膀胱炎や尿路結石を患う事に。
夏は暑くて食欲が落ちると言いながら体重は増えているなんて事も珍しくありません。
夏場の甘やかしにはくれぐれもご注意ください。


避妊去勢済み用フードとは?
避妊去勢済み用フードとは、避妊手術や去勢手術後の肥満防止対策として販売されているフードとなります。
全ての避妊去勢済みフードが該当するわけではありませんが、その多くが肥満防止を目的に低脂肪となっており、その反面たんぱく質の含有量が多くなっています。確かに脂肪分の摂取を控えて、その代わりにたんぱく質の摂取比率を高めれば、引き締まった身体作りが出来るとは思いますが、その条件としては適度な食事量を守る事が大切です。
当たり前の事ですが、太りにくいとされる高たんぱく・低脂肪の食事でも食べ過ぎれば太りますからね。
また、高たんぱく・低脂肪のフードの食べ過ぎには、もうひとつ大きな注意点があります。




避妊去勢済み用フード使用時の注意点!
高たんぱく・低脂肪の避妊去勢済み用フードを与える際の大きな注意点が尿のアルカリ化です。
基礎知識として、食べ物を食べると胃酸が分泌され、その影響で尿はアルカリ性に傾きます。特に食べ物に含まれるたんぱく質の分解に胃酸を多く必要とする為、たんぱく質の多い食事を摂れば胃酸の分泌量も多くなり、尿のpHは大きくアルカリ性に傾きます。
尿がアルカリ性に傾くと言う事は、膀胱炎やストルバイトなど下部尿路疾患の発症リスクが高くなりますので、避妊手術や去勢手術後に避妊去勢済み用フードを与える時には注意が必要となります。
避妊去勢済み用フードを適切な量でご利用いただいていれば問題ございませんが、置きエサをして好きな量を食べる事が出来る環境を作ったり、1日3回以上の食事や間食を与えたり、パッケージに記載の量や摂取カロリーを意識し過ぎて与えたりしますと、高確率で膀胱炎やストルバイトを患う事になります。




そもそも避妊手術や去勢手術が原因では太りません!
多くの方が勘違いをなされていますが、避妊手術や去勢手術をしたからと言って太りやすい体質になる訳ではありません。失礼ながら勘違いをしている獣医師も多いです。なので、避妊手術や去勢手術後の食事指導で獣医師から「太らせないように低カロリーのフードを与えるように!」と言われた方も少なくは無いと思います。
確かに避妊手術や去勢手術をすると食欲は手術前よりは増します。だからと言って、勝手には太りません。当たり前ですが、食べ過ぎなければ太りません。
特に去勢手術前の雄犬は発情の影響で食が進まない事が多く、術後の食欲増加を喜んで食べ物を与え過ぎるケースが多いです。
結局は食欲が増した愛犬や愛猫の催促に負けて食べ物を与え過ぎるから太るのです。これが避妊手術や去勢手術をすると太ってしまう子が多い原因です。
ですので、避妊去勢済み用フードを使用しなくても、通常のフードであっても与え過ぎなければ太る事はありません。
与えるフードの量はパッケージ裏面や摂取カロリーを気にし過ぎず、適正な体重が維持出来る最低限の量を与えていれば大丈夫です。
それがパッケージ記載の給与量の目安の半分以下の量であってもです。ご安心ください。


腎臓ケアのキャットフードとは?
猫の代表的な疾患である腎臓病(腎不全)ですが、長生きすれば全ての猫が患うと言っても過言ではありません。逆に言うと、長生きをする為には如何に腎臓病と上手く付き合っていくかが重要となります。その為には食事のコントロールが何よりも大切となります。
では実際にどのような食事を与えれば良いかですが、まずは腎臓の健康に配慮がされたキャットフードを与える事になります。いわゆる腎臓ケアのキャットフードです。腎臓ケアのキャットフードは腎臓に負担が掛かりにくいようにたんぱく質やリンの含有量が調整されています。但し、たんぱく質が制限されている代わりに脂質が多く含まれていますので、この点に注意をして与える必要があります。




腎臓ケアのキャットフードはいつから?
このご質問を非常に沢山多く頂戴します。確かに、血液検査等の結果で明らかに腎臓の状態が悪化している場合は、直ぐにでも腎臓ケアのキャットフードをお与えいただく必要がありますが、「血液検査の結果は正常値の範囲だけど以前に比べると気になる。。。」「検査結果は良好だけど年齢が年齢なだけに心配で・・・。」などの場合です。
答えは、賛否両論があるかと思いますが、当店の考えとしては「気になる(心配になる)なら腎臓ケアのキャットフードを今すぐにどうぞ!」です。
腎臓ケアのキャットフードは決して腎臓病を発症してからでしか与える事が出来ない内容ではありません。もちろん全ての腎臓ケアのキャットフードに対して言っているのでは無く、あくまでも当店が取り扱っている腎臓ケアのキャットフードに関してです。
「気になるなら」「心配になるなら」今すぐにでも腎臓ケアのキャットフードをご利用ください。但し、下記の条件付きです。




予防として腎臓ケアのキャットフードをご利用いただく条件は?
先にも述べましたが、腎臓ケアのキャットフードはたんぱく質が制限されている代わりに脂質が多く含まれています。この理由は、たんぱく質を制限した食事を摂らないといけませんが、摂取エネルギーはしっかりと確保する必要があるからです。たんぱく質の代わりに脂質を多く摂取してエネルギーを得ようと言う考えです。
しかし、脂質を多く含むと言う事は太りやすいフードであると言う事の認識が必要です。それなのに、置きエサをして好きなだけ食べる事が出来る環境を作ったり、食事の時間以外なのに欲しがるからと言って与えたりすれば必ず太ります。ですので、腎臓病の予防として腎臓ケアのキャットフードを与える際は、朝晩2回の食事を徹底して、体重が増え過ぎない程度の量、痩せ過ぎない程度の量をしっかりと見極めて食事を与える必要があります。決して欲しがるからと言って沢山は与えないでください。これが予防として腎臓ケアのキャットフードをご利用いただく条件となります。それが出来ない場合、量を多く与えたい場合は予防としてのご利用はお控えください。
また、初期の腎臓病では食欲の低下は起こりません。腎臓ケアのキャットフードを食べないのは、今まで甘やかして来た且つ、だらしない食生活を行ってきた代償です。但し、決して手遅れではありません。食べない事を心配し過ぎずに1日2回の食事を徹底してください。そうすればどの腎臓ケアのキャットフードでも喜んで食べてくれます。それが腎臓病と上手く付き合っていく唯一の方法です。


弱みにつけ込む製品には注意!
犬猫の飼い主様が気にするキーワードの代表格である「歯磨き」「歯石」「口臭」。
インターネットや雑誌を見ていると、このようなキーワードを使用して宣伝をしている商品を良く見かけます。確かに愛犬や愛猫のお口周りのお手入れに悩んでいる飼い主様は多く、「歯磨きをしたいけど嫌がるから。。。」「歯磨きは出来るけど歯磨き粉をつけた方が良いのかな?」と当店にも沢山のお問い合わせを頂戴致します。
また、このようなキーワードを使用して宣伝している商品の多くは、嘘か本当か分かりませんが「たった1週間で驚きです!」や「嫌がるかと心配でしたが喜んで舐めています!」などの体験談のような記事が載っています。更に、「獣医師も絶賛!」のような獣医さんお墨付き記事も掲載がされている事が多いです。
日頃から愛犬・愛猫のお口のお手入れにお悩みの方にとってはとても興味深い内容になっていると思います。




効果・効能は大切。でもそれ以上に大切なのが?!
歯磨き関連の商品に限った事ではありませんが、その製品を使用した結果の効果や効能よりも大切になるのがデメリットの部分です。特に歯磨き関連の商品は犬猫の場合は全て飲み込みますので、うがいで吐き出す事が出来る人間よりも注意が必要です。
特に、製品の安全性をアピールする「香料無添加」「着色料無添加」「酸化防止剤無添加」「合成保存料無添加」などの謳い文句にも注意が必要です。
当然の事ですがそれら以外にも添加物は沢山あります。全ての添加物が危険なわけではありませんが、余計な成分である事の認識は必要かと思います。
いかに危険性が低い添加物と言えども、小さな体の犬猫が毎日摂取する事によるデメリットは無視出来ないと感じます。




機能性を謳ったおやつにも要注意!
歯磨き関連の商品以外には、機能性を謳ったおやつにも注意が必要です。
代表的なのが「腎臓ケアスナック」や「肝機能ケアスナック」です。腎臓や肝臓に良い効果をもたらす成分が含まれているような事が書かれていたりしますが、そもそもその製品を食べさす事で腎臓や肝臓に負担を掛けるような製品を多く見かけます。
その有効成分の摂取でどの程度の効果効能が見込めるかは分かりませんが、有効成分以外の原材料が腎臓や肝臓に負担を掛けてしまっていれば、まさに本末転倒です。
それ以外には乳酸菌サプリメントや乳酸菌を含む腸内ケアスナックなども同様です。腸内環境の改善が期待出来る乳酸菌を摂取する為に、腸内環境を悪化させるような原材料を同時に摂取していれば意味がありません。
くれぐれもご注意ください。


水を沢山飲ませて治りましたか?
この手のお問い合わせが本当に多いです。何故多いのかと言うと、多くの動物病院の先生方が口を揃えて同じような指導をするからです。それが、

「尿路にある結石が詰まらないように尿量を増やす為、水を沢山飲ませるように!」

大袈裟では無く、1日1回はこの手の内容を含むお問い合わせのメールやお電話をいただきます。
その為、当店のコラムでも過去に幾度と無く解説や注意喚起をしておりますが、一向に後を絶ちません。
もちろん、尿量を増やす事によって、尿路にある結石が詰まりにくくなる場合もあると思いますが、詰まりにくくする為には尿量を増やすよりも、その結石を今よりも大きくしない事の方が大切です。当たり前ですよね。
しかしその指導が無く、水分摂取量を増やす事ばかりを意識した結果、尿量が増えて症状が緩和するのは一時的で、結果的には結石が大きくなってしまい症状が悪化したり、いつまでも尿路結石が解消せずにダラダラと引きずるケースが多いです。




水分を摂取させると何故結石が大きくなるのか。
話がそれますが人間の尿路結石の多くがシュウ酸カルシウム結石です。人間の尿路結石の治療では水分を沢山摂取する事と、食生活の見直しが指示されます。人間は自らの意思で水を無理にでも飲む事が出来るので、水分を沢山摂取して尿量を増やし、食生活の見直しで結石が大きくなる事を防ぎます。
これと同じ感覚で犬猫の尿路結石を対処しようとすると、どつぼにはまる事となってしまいます。
その最たる理由が犬や猫は自らの意思で水を無理に飲まない事です。愛犬や愛猫の前に水の入ったお皿を差し出し、「今日から水を沢山飲んでね!」と言っても飲まないですよね。犬や猫は自分にとって必要な水分しか摂らないのです。
それを無理に飲まそうと思うと水に味をつけるしかありません。味の付いた水を飲ませる事によって尿はアルカリ化しストルバイト結石は大きくなってしまいます。
詳しくは過去のコラムのストルバイトの原因と予防について。膀胱炎も。 第四章をご覧ください。
また、シュウ酸カルシウム結石に関しても、味の付いた水を飲ませる事によって、余計なたんぱく質や脂質を摂取する事となってしまい、結果的に尿中のシュウ酸濃度が高まり事態が悪化する事に繋がります。また、味の付いた水を飲む事によってフードの食い付きが悪くなって、食生活が乱れてしまうケースも目立ちます。




結石を治すには結石を作らないようにする事が大切!
当たり前の事なのですが、尿路結石の治療及び予防にとって最も大切なのが、結石を作り出さない事です。
水分を沢山摂取して尿量を増やしても、次から次と結石が出来てしまったり、今ある結石が徐々に大きくなってしまうと意味がありません。
まずは、食事を1日2回にして、1回の食事の量も与え過ぎる事無く、理想の体型が維持出来る最低限の食事量の食生活をお心掛けください。食べさせるフード選びも大切ですが、尿路結石対策としては可能な限り小食にする事が何よりも大切です。大半の飼い主様が食べさせ過ぎです。
尿路結石に対してだけではありませんが、とにかく食生活において甘やかさない事。とても大切な事なのですが、これが出来ない方が多いです。
食べないからトッピング、食べないからおやつ、食べないからフードを変える、食べないから置きエサ、食べないから数時間おきに、食べないから手のひらから、などなど。
フードを食べなかったり、好き嫌いが激しかったり、フードの選り好みが激しかったりするのには必ず原因があります。その原因は犬猫の性格や体質では無く、飼い方(食べ物の与え方)にあります。
まずは食欲の有無を確認し、食べる意欲があると判断した場合は徹底的に我慢をさせましょう。ちなみに、お皿の中身を覗きに来たり、においを嗅ぎに来たり、少しだけ食べたり、味変をすれば食べたりすると言う事は食欲はあると言う事です。
もちろん体調が優れずに食べる事が出来ない場合はサポートが必要ですが、食欲があるのに食べない場合は手を差し伸べる必要はありません。
飼い主様であれば、食べない原因が体調不良か否かは分かると思います。
甘やかした食生活を続けている限り、どれだけ水を沢山飲んでも尿路結石は解消しません。一度治ったと思っても必ず再発します。

最後に。犬や猫なんて好き嫌いをして当たり前。毎日同じフードなら飽きて当然。どこの家の子も同じでしょ、と思っている方もおられるかと。
そのように思うのは勝手ですが、後悔の無いようにくれぐれもご注意ください。


それって本当に痩せているの?
ハッキリ言って日本に居てる犬猫達の大半が肥満です。その為、肥満の体型が標準体型と勘違いをなされている方も多いように感じます。また、獣医師も肥満の犬猫ばかりを見ている(診ている)影響からなのかは分かりませんが、本来は標準体型である子に対して「もう少し体重を増やした方が良い」「少し痩せ過ぎですね」などと伝えてしまう事も少なくはありません。
確かに痩せ過ぎよりは少々ふっくらしていた方が安心感はあると思いますが、少し感覚がマヒしている気がしてなりません。
その為、動物園などでトラやライオンなどを見ると「凄い痩せている」と感じてしまう方がおられると思いますが、あれが本来の姿です。
また、テレビやYouTubeなどに出て来る犬猫達の姿を見て、「うちの子も同じ位の体型だから大丈夫」と思わないようにお願いします。飼い方や食事の与え方を紹介している動画クリエイターの方がおられますが、必ずしも正しい情報を発信しておられるとは限りません。勘違いの無いようにお願いします。
特に猫!肥満は糖尿病や肝リピドーシスの原因となりますのでご注意を!!!




どうして痩せないのか?
まずは我が子(愛犬・愛猫)の姿を今一度見直してみてください。「細いなぁ」「痩せているなぁ」と思われる方はごく一部だと思います。大半の方が「ぽっちゃり気味かな」「お腹にお肉がついているような」「細くは無いかな」「少し痩せた方が良いのかな」と思われると思います。
しかしそのように思う反面、「そんなに沢山食べさせて無いけど太る」「ダイエット用のフードを与えているが痩せない」と感じておられる方も多いのでは無いでしょうか。そのように思われるお気持ちはとても良く分かります。でも、沢山の量を食べさせてはいないと思っていても、または低カロリーのフードを与えていても、痩せていなければ結果的には食べ過ぎなのです。
実際に、製品パッケージ記載の給与量の半分程度しか与えていなくても太る場合がありますが、とにかく結果が全てです。何をどの位の量を与えていようが、太っていれば食べ過ぎです。(一部の疾患が原因の体重増を除く。)




お願いだからとにかく太らせないで!
初めに「ハッキリ言って日本に居てる犬猫達の大半が肥満です。」と書きましたが、その理由は「ハッキリ言って日本に居てる犬猫達の大半が食べ過ぎ。」だからです。そう、食べ物を与え過ぎです。主食のフードはもちろんですが、間食のおやつやご褒美も与え過ぎです。これにはペット用のおやつを製造販売するメーカーにも責任があるのですが、主食のフードと同様におやつのパッケージの裏にも一日の給与量が書かれていたりします。
ここ数年で需要が急拡大していて、犬猫達の健康を阻害する諸悪の根源でもあるペースト状のおやつにも「1日●本」などと記載があります。
そもそもおやつに給与量の目安なんて必要がありません。食べなければ食べない方が良いのですから。そのような記載があるので与え過ぎてしまう方が後を絶たないのです。製造販売するメーカーとしては、沢山与えてもらって沢山購入をしてもらいたいのだと思いますが、その結果犠牲になっているのは犬猫達です。
ですので、主食となるフードやおやつの量を決めるのはメーカーでは無く、飼い主様がしっかりと適量を見極めてあげてください。
製品に書いてある量や、犬猫が欲しがる量を与えるのでは無く、太らない量でご利用いただくようお願い致します。
1日の食事量の目安としてカップラーメン何杯、おやつ量の目安でポテトチップスは何gやケーキは何個までなどの決まりは無く、太らないように注意しながら食べる人間と同じです。難しく考える必要はありません。宜しくお願い致します。


膿皮症や外耳炎の原因は何?
夏場に多い膿皮症や外耳炎。猫には全く無いとは言えませんが、圧倒的に犬に多いです。
代表的な症状としては、皮膚や外耳に強い痒みが生じます。中には寝る事が困難になるほどの強い痒みに襲われるケースもあります。他には患部に出血や膿を伴うただれが生じたり、かさぶたや脱毛が目立つようになったり、ニオイ(体臭)がきつくなったりと様々です。
また、これらの原因はブドウ球菌やマラセチアなどの常在菌の異常な増殖による事が殆どで、その常在菌の増殖の原因の大半が食生活です。
その原因となる食生活を理解していただければ、膿皮症や外耳炎がどうして猫には少なくて、犬に多いかが分かっていただけると思います。
それでは実際に、どのような食生活が原因になるかを説明していきたいと思います。




これらは絶対に与えてはいけません!
膿皮症や外耳炎の原因が常在菌の異常な増殖によるものだと説明をしましたが、その原因の多くが食物不耐症と薬理活性物質(仮性アレルギー)です。食物アレルギーとは異なります。
食物不耐症とは、特定の食べ物を上手く消化出来ない状態を意味します。上手く消化出来ない理由は消化酵素不足であり、代表的な食物不耐症は小麦によるグルテン不耐症と、牛乳による乳糖不耐症です。また、薬理活性物質(仮性アレルギー)は果物や野菜などの食品に含まれるヒスタミンなどが原因でアレルギーのような症状を引き起こします。
ですので、膿皮症や外耳炎の症状でお悩みの際は、パンやクッキーなどの小麦を含む製品や牛乳などの乳製品、果物や野菜は与えてはいけません。
また、食物不耐症や薬理活性物質(仮性アレルギー)は症状の原因に免疫システムが関与していませんので、血液によるアレルギー検査の結果は全く関係がありません。
よって、アレルギー検査の結果をもとにした除去食(食事療法)では症状の改善に効果が見られない場合が多いです。
参考までに、犬や猫に食物アレルギーは殆どありません。但し、食物不耐症や薬理活性物質(仮性アレルギー)は非常に多く見られます。
食物不耐症や薬理活性物質(仮性アレルギー)は免疫システムが関与していませんので、原因物質を摂取したとしても、その時の体調次第によって症状が出る時と出ない時がある為に、症状の原因として見落としてしまうケースが多いのでご注意ください。




結局は余計な物を与えない事が一番大切です!
ここまで来ると、膿皮症や外耳炎が犬に多くて猫に少ない理由がお分かりいただけるかと思いますが、猫にはパンや牛乳、果物や野菜をあまり与えません。ですが、犬にはそれらを与えているケースが非常に多いです。
また、犬用であったとしても、小麦を使用したクッキーやビスケット、パンやケーキなどは絶対に与えてはいけません。そもそも「犬用」「猫用」を信用し過ぎないようにお願いします。
「犬用に作られているから大丈夫」「猫用として売られているから安心」と言った見解は非常に危険です。
特に、ここ数年は健康を損なう恐れのある「くだらない製品」がとても多いです。売れれば良いと考えるメーカーの製品にはくれぐれもご注意ください。
「喜ぶから」「食べている姿が可愛い」「欲しがるから」などの理由でおやつを与えているときっと後悔する事になりますよ。
ですので、膿皮症や外耳炎でお悩みの際は、まずは良質なフードと消化酵素サプリメント(食物不耐症を防ぐにはこれが非常に大切です)、乳酸菌サプリメントを中心とした食生活を徹底し、余計な物は与えないようお願いします。
また、ステロイドの服用は膿皮症や外耳炎の症状を悪化させてしまう場合がございますのでくれぐれもご注意ください。


缶詰(ウエットフード)は低たんぱくですよね?
前回のコラム(ストルバイトの原因と予防について。膀胱炎も。 第五章)で下記のように書きました。

ドライフードに含まれるたんぱく質20%とウエットフードに含まれるたんぱく質10%では、ウエットフードの方が高たんぱくになります。これは製品に含まれる水分量が関係しており、ウエットフードは意外と高たんぱくな食事である事の認識が必要です。

この件について何人かの方からお問い合わせをいただきましたので解説をしたいと思います。

ドライフードに含まれるたんぱく質が20%で、ウエットフードが10%だとすると、ドライフードはウエットフードの2倍のたんぱく質が含まれているように見えますが、実際はそうではありません。その理由は水分量です。
ウエットフードに含まれる水分が全体の約80%に対し、ドライフードに含まれる水分は全体のたった10%程度です。その水分を除去した状態で比較すると、ドライフードの場合は約22%がたんぱく質で、ウエットフードの場合は約50%がたんぱく質となります。よって、ドライフードよりもウエットフードの方が高たんぱくな食事であると言う事を意識してご利用いただきたいです。
但し、たんぱく質含有量が少ないウエットフードもありますので、たんぱく質の摂取量を控えたい場合は、成分値をしっかりと確認をしていただいた上で、ウエットフード選びを行っていただければと思います。




糖質を制限したいのであればウエットフードを!
たんぱく質の摂取を制限するにはドライフードの方が有効ですが、糖質の摂取を制限するにはウエットフードがおすすめです。ドライフードは全体の約30%が炭水化物であり、糖質を多く含む事が分かります。ちなみに炭水化物とは糖質と食物繊維を合わせた総称ですので、「糖質+食物繊維=炭水化物」となります。
よって、全体の80%が水分であり、残りの20%がたんぱく質や脂質、繊維質で構成されているウエットフードは、炭水化物の含有量が少なく、低糖質食となりますので、糖質を制限したい時の食事としてはおすすめとなります。
但し、低炭水化物の食生活は健康維持や免疫力向上に役立つ食物繊維の摂取不足になりがちですので、別途サプリメントなどで食物繊維の補給を心掛けいただく事をおすすめ致します。ちなみに、成分表示にある「粗繊維」は食物繊維の含有量を表した項目ではありませんのでご注意ください。




ドライフードとウエットの量の違いは?
お悩みになられる方が多いのが、ドライフードとウエットフードの与える量の違いです。
例えば、今までドライフードを1日に40g与えていたとします。その一部をウエットフードに変えたい場合には、ドライフードを減らした3~4倍程度のウエットフードを加えるようにお願いします。具体的には、1日40g与えていたドライフードを1日30gに減らした場合は、減らした10gの3~4倍に当たる30g~40g程度のウエットフードを加えるようにお願いします。もちろん製品の違いや、ご愛犬やご愛猫の体調などによっては微調整が必要になってくる場合がございますが、おおよその目安としては、それ位の量でご利用いただければ結構です。宜しくお願い致します。


これを守ればストルバイトと膀胱炎は予防出来ます!
4回にわたってストルバイトと膀胱炎についてお話をしてまいりましたが、今回は最後のまとめとして、「これを守ればストルバイトと膀胱炎は予防出来ます!」と言う食事の与え方をご紹介したいと思います。

前回のコラムはこちらからどうぞ。
ストルバイトの原因と予防について。膀胱炎も。 第四章

今現在、ストルバイトや膀胱炎を発症しているか否かによっても対応が多少は異なりますが、ストルバイトや膀胱炎の心配や不安があるようであれば、まずはたんぱく質の摂取を控えた食生活をお願いします。ドライフードであれば、高齢用や結石予防のフードでお探しになられると良いです。この場合、「うちの子はまだ若いから高齢用では無く、結石予防のフードにしよう!」となる方がおられますが、高齢用よりも結石予防のフードの方が栄養バランスが悪い事が多いです。
特に犬の場合、症状の程度にもよりますが、まずは高齢犬用のフードをご利用いただき、良い結果が出ない場合は結石予防のフードをご利用いただく事をおすすめ致します。可能であれば結石予防のフードは使用せずに高齢犬用のフードをご利用いただく方が身体への負担は軽いです。但し、全ての高齢犬用のフードがストルバイトや膀胱炎の解消や予防に適しているわけではありませんのでくれぐれもご注意ください。
猫の場合、まずは結石予防のフードで1日2回の食事を徹底し、ダラダラとした食生活からの脱却をお願いします。

また、「結石予防のフードの場合は療法食の方が良いですか?」と言うお問い合わせを多く頂戴しますが、「結石予防の療法食」には何の定義も条件もありません。発売メーカーが「我が社のこの製品は結石予防の療法食です!」と言えば「結石予防の療法食」になります。ですので、「結石予防の療法食」と謳っている製品の中には、「えっ!これで結石を予防出来ると思っているの?」と言う内容のフードもあります。これは結石予防に関してだけでは無く、他の療法食にも言える事です。言い方は悪いですが、療法食と言う言葉は飼い主様の弱みにつけ込んで商売が出来るとても便利な言葉です。なので、療法食と言う文言にとらわれず、内容を吟味してフード選びが出来る知識を養う事が大切です。本来は、ペットショップの店員や動物病院の関係者が最低限身につけるべき知識なのですが、残念ながら現実はそうではありません。なので、動物病院で勧められたからと言って、正しいフード選びが出来ているとは限りません。

話を戻しますが、ストルバイトや膀胱炎が気になる場合は、ある程度たんぱく質を制限したフードを1日2回与え、食べ残しがあってもお皿は5分程度で下げて、次の食事までは何も与えないように徹底してください。もちろん間食は与えずに、1日2回の食事ですので、食間の約12時間はしっかりと空腹時間を確保して、尿の酸性化に努めるようにお願いします。また、消化を促進する目的で消化酵素の補給もお願いします。消化酵素の補給には消化酵素サプリメントをご利用いただきたいのですが、消化酵素サプリメント自体にたんぱく質を多く含む製品もあり、そのような製品はこのケースでは不適切となりますのでご注意ください。また、水分やマグネシウムの摂取量は気にする必要はございませんので過度な心配は不要です。

そして、今までの甘やかしが原因でドライフードのみだと食べが悪いからと言って、たんぱく質を制限したフードに鶏のササミや胸肉、馬肉などをトッピングする方がおられますが、折角のたんぱく質を制限したフードが台無しです。どれだけ食い付きが悪いとお感じのフードでも我慢をさせれば食べます。どうしても我慢をさせる事が出来ない場合は、たんぱく質を制限したウエットフードを少量加えてお与えください。
その際に注意が必要なのが、ドライフードとウエットフードの成分値を同じように考えてはいけません。ドライフードに含まれるたんぱく質20%とウエットフードに含まれるたんぱく質10%では、ウエットフードの方が高たんぱくになります。これは製品に含まれる水分量が関係しており、ウエットフードは意外と高たんぱくな食事である事の認識が必要です。

最後に、食べさせる量です。大半の飼い主様が食べさせ過ぎです。第4章でも書きましたが、パッケージ記載の量や必要摂取カロリーなどは気にせずに、痩せ過ぎない量、そして太らない量を食べれば良いのです。食べる量が少なければ少ない程、尿のpHは安定してストルバイトや膀胱炎の予防になります。逆に、食べれば食べるほど尿はアルカリ化します。あとはいかに厳しく且つ規則正しく出来るかです。ストルバイトや膀胱炎は、飼い主様の誤った飼い方によって、甘やかした食生活によって発症すると言っても過言ではありません。くれぐれもご注意ください。

5回にわたってストルバイトと膀胱炎についてお話をしてまいりましたが以上となります。
長文にお付き合いいただきありがとうございました。


良かれと思っている対処法がストルバイトの原因に・・・。
前回までの流れで、食事の回数が多過ぎたり、置きエサなどでダラダラ食べていたりする事が良くない事だとお分かりいただけたかと思います。

前回のコラムはこちらからどうぞ。
ストルバイトの原因と予防について。膀胱炎も。 第三章

そして、ある症状の改善や緩和を目的とした誤った対処法によって、ストルバイトや膀胱炎を発症させてしまうと言うケースも多くあります。
例えば、朝方や夕方などの空腹時に胃液を吐くので、それを防止する為に寝る前に夜食を与えたり、昼ご飯を与えたりするケース。この場合、胃液の嘔吐を抑える事が出来ても、尿がアルカリ性に傾く時間が増えますので、ストルバイトや膀胱炎発症のリスクが高くなります。動物病院でもこのような誤った食事指導をする事が多いですが、空腹時に胃液を吐くのは消化酵素不足ですので、食事回数を増やすのでは無く、1日2回の食事に消化酵素を加えて与えるようにしてください。

また、一度に沢山食べると吐き戻しをするので、少量ずつ回数を分けて食事を与えているケース。
犬や猫(特に猫)は胃の中に、ある一定の量のフードが溜まってしまうと吐き戻しをします。例えば、1回の食事量が多ければ胃の中のフードが、ある一定の量に達しますので食後に吐き戻しをします。また、食間が短くて胃の中に前回の食事(フード)が残っている状態で新たにフードを食べると胃の中のフードが、ある一定の量に達してしまい吐き戻しをします。
ですので、ごく少量のフードを1日に5回~10回程度に分けて与えると、胃の中のフードの量が、ある一定の量に達しないので吐き戻しはしませんが、空腹時間が確保出来ず尿が酸性に傾くタイミングを作る事が出来ませんので、尿がアルカリ化してストルバイトや膀胱炎を発症する事になります。なので、吐き戻しを防止する為には、しっかりと胃が空っぽになった状態で食事を与え、その際にフードの量を与え過ぎなければ大丈夫です。

そもそも与えているフードの量が多過ぎるケースが目立ちます。これはフードパッケージ記載の量や必要摂取カロリーを気にしての事になるのですが、パッケージに記載されている給与量の目安は無視してください。大半が多過ぎます。記載量の半分以下でも充分に栄養は足ります。「そんなに減らして大丈夫?栄養不足にならないの?」と思われる方がおられますが、痩せ過ぎていなければ栄養不足になんてならないです。また、必要摂取カロリーなども気にする必要はありません。人間も毎日の食事のカロリー計算なんてせずに、体型を意識したりしながら量を調節しますよね。犬や猫もそれで良いのです。痩せ過ぎない量、そして太らない量を食べれば良いのです。

また、ドライフードのみだと食い付きが悪いと言う事を理由に鶏肉や馬肉などの肉類をトッピングしているケース。肉類をトッピングすると言う事はお皿の中身が高たんぱくになる事を意味します。第二章で説明をした通り、たんぱく質の摂取量が多ければ多い程、尿のpHは大きくアルカリ性に傾きます。まずは何故、ドライフードのみだと食い付きが悪いのかをしっかりと考え直してください。おやつやご褒美を与え過ぎたり、食事回数が多過ぎたり、何か原因があるはずです。ドライフードへ肉類をトッピングをして食い付きを良くした結果、しっかりと食べてくれて喜んでいたとしても、その後には膀胱炎やストルバイトの発症が待っています。絶対にお止めください。

あと、水分補給が必要だと思い誤り、鶏スープやヤギミルクなどを食間に与えているケース。水を飲まないのは水分が足りている証拠。必要な水分は本人が一番分かっています。必要であれば飲みますし、必要が無いから飲まないのです。
たんぱく質を含んでいる鶏スープやヤギミルクを飲めば当然に胃酸が分泌され尿がアルカリ化します。ストルバイトや膀胱炎予防の為に、水分補給を目的に鶏スープやヤギミルクを与える方がおられますが、残念ながら逆効果となりますのでご注意ください。第一章でも述べましたが、水を飲む量が少なくてもストルバイトにはなりませんし、水を沢山飲んだとしてもストルバイトの予防にはなりません。

このように、良かれと思って行っている事が尿のアルカリ化の原因となって、ストルバイトや膀胱炎の発症に繋がっているケースが多くあります。ですので、如何なる理由があっても食事(間食も含む)は1日に3回以上与えてはいけません。また、1回の食事は5分程度までとして、食べが悪いからと言って、肉類をトッピングしたり、30分や1時間もお皿を出しっぱなしにしないようにしましょう。
お皿を差し出している時間が長ければ長い程、食べは悪くなるので、どれだけ残していてもお皿は5分程度で下げるようにしてください。また、どれだけ残していようが、12時間後の次の食事までは絶対に何も与えてはいけません。そうすれば徐々に食べるスピードが速くなっていきます。
食べなければお皿を下げられると言う事と、しっかりと食べないと次の食事まで何も貰えずにお腹が空いてしまう事を教えてあげてください。これはとても大切なしつけと共に、ストルバイトや膀胱炎の予防にとって大変重要なポイントとなります。
好き嫌いをするからフードローテーションをしたり、同じ食事内容を続けると飽きるので日替わりでフードを変えていたりする方がおられますが、考え方が逆です。フードローテーションをしたり、日替わりメニューにしたりするので好き嫌いをするのです。少々食べなくても気にせずに、同じフードを毎日毎食(1日に2回、1回5分)出し続ければ好き嫌いはしませんし、飽きたりもしません。
過剰な甘やかしがストルバイトや膀胱炎の原因にもなりますのでご注意ください。

今回のコラムはここまでとなります。次回に続きます。

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ストルバイトや膀胱炎を発症させてしまうケース。
前回のコラムの最後に、尿のpHが7.5以上になる事は無く、ストルバイトや膀胱炎の発症を抑える事が出来る流れを軽く説明しましたが、今回はその反対に尿のpHが7.5以上になってしまい、ストルバイトや膀胱炎を発症させてしまうケースについてお話をします。

前回のコラムはこちらからどうぞ。
ストルバイトの原因と予防について。膀胱炎も。 第二章

前回の内容と重複しますが、食事を摂ると胃酸が分泌されて尿がアルカリ性に傾きます。その後、時間が経つにつれて胃が空っぽになると、胃酸の分泌が治まって尿は酸性に戻って行きます。ですが、食事と食事の間が短かったり、おやつやご褒美を頻繁に貰っていたり、置きエサでダラダラと食べていたりすると、胃が空っぽになる時間が無くなって、尿のpHが酸性に戻るタイミングを失ってしまいます。
どう言う事なのか具体的に説明しますと、食事を摂る前の尿のpHが正常の6.0前後だったとします。この時点ではストルバイトや膀胱炎の発症は考えにくいです。ですが、食事を摂った後に、胃酸が分泌されて尿がアルカリ化して、pHが7.0程度まで上昇したとします。その後、何も食べる事が無ければ、胃が空っぽになり尿のpHは食前の6.0前後まで戻るのですが、あまり時間を空けずに次の食事を与えてしまいますと、pHが6.0前後まで戻り切らない内に、新たに胃酸が分泌され始めますので、先程は7.0程度までの上昇で抑えられていたpHが、危険水域の7.5程度まで上昇をしてしまう事になります。更に、次の食事までの時間が短く、7.5程度まで上昇した尿のpHがあまり下がっていない状態で胃酸が分泌されると、それ以上にpHが上昇してストルバイト及び膀胱炎を発症すると言う流れです。
ですので、1日3回以上食事を与えていたり、置きエサをしてダラダラと食べさせていたり、トイレのご褒美などで頻繁に間食を与えていると、尿のpHが酸性に傾く為の空腹時間を作る事が出来ずに、ストルバイトや膀胱炎の発症リスクが高くなると言う訳です。
これが第一章で書いた、「ストルバイトを患う頭数は犬より猫の方が多いかと推測が出来ます」と「犬の場合は大型犬よりも小型犬の方が多いと思います」に繋がるのですが、犬よりも猫の方が置きエサによる食生活を行っているケースが多いですし、大型犬よりも小型犬の方が、室内でトイレをする事が多く、トイレで用を足す度にご褒美(間食)を貰っている事が多い事によって、空腹時間が短くなって尿がアルカリ化しやすいのと、人間の感覚で少量と思っている間食の量でも、体の大きさが小さい小型犬にとっては相当な量となって、フードの食べが悪くなり、ダラダラとした食生活になりがちなのが理由となります。また、しつけ教室でのトレーニング時も、ご褒美を貰う回数が多くなりがちなので要注意ですし、お散歩中に食べるおやつも無視は出来ません。

いずれにしても、ストルバイトや膀胱炎を発症させてしまう原因は「飼い方」に問題があると言う事です。獣医師が言いがちな「体質ですね」ではありません。

また、1日の食事回数が多過ぎたり、置きエサをしていたり、ご褒美を頻繁に貰っていると、フードの好き嫌い(選り好み)が激しくなっていきます。空腹時間が無いので好きな物しか食べなくなる、当然ですね。それなのに、フードを好き嫌いする原因が他にあると勘違いをして、どんどん食い付きの良いフードを探すようになり、行きつく先はお肉たっぷりの高たんぱくなフードになってしまいます。更に嗜好性を高める為にお肉をトッピングしたり・・・。そうなると、第二章で述べた「特に食べ物に含まれるたんぱく質の分解に胃酸を多く必要とする為、たんぱく質の多い食事を摂取すれば胃酸の分泌量も多くなり、尿のpHは大きくアルカリ性に傾く事となります。」の通り、空腹時間が短くて尿が酸性に傾くタイミングが無い上に、たんぱく質の摂取過多で食後のpHの振れ幅が大きくなりますので、余計にストルバイトや膀胱炎の発症リスクが高くなります。なので、ストルバイトや膀胱炎を発症した犬や猫の多くが、過度な甘やかしによって食生活が乱れてしまっています。そして次のようなケースでもストルバイトや膀胱炎を発症させてしまうケースが多いです。

今回はここまでとなり、続きは次回にお話をしたいと思います。

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ストルバイトと膀胱炎の関係性。
前回のコラムの最後に「ストルバイトと膀胱炎は原因が同じなのですから。」と書きましたが、まずはその点から解説をしたいと思います。ご覧になられていない場合は先に前回のコラムからお願いします。

ストルバイトの原因と予防について 第一章

ストルバイトの根本的な原因は尿のアルカリ化(正常時は酸性を示す尿のpHがアルカリ性に傾く事)です。
また、膀胱炎の原因も同じく尿のアルカリ化です。何故、酸性であるべき尿がアルカリ化するかは後ほど説明をしますが、尿のpHが7.5程度までに上昇(アルカリ化)すると、尿中のマグネシウムやリンなどのミネラル成分が結晶化してストルバイトの結晶が作り出されます。
また、尿がアルカリ化しますと、尿中に細菌が繁殖しやすくなります。特に多くの細菌がpH7.5程度の弱アルカリ性の環境を好みますので、尿のpHが弱アルカリ性を示すタイミングで膀胱炎を発症するケースが多いです。
まさに犬や猫がストルバイトを発症しやすい尿の環境と一致する為、ストルバイトと膀胱炎の併発が多く見られると言う事になります。
但し、更にpHが上昇しますと、細菌は死滅して膀胱炎の症状は改善に向くケースが多いです。ですが、ストルバイトはpHが上昇すればするほど悪化しますので、ストルバイトが重症化していくにつれて膀胱炎の併発は少なくなっていきます。
このような仕組みで、ストルバイトと膀胱炎の併発が多く見られるが為に、ストルバイトの原因が細菌感染(膀胱炎)であると言う説も存在しますが、その考え方は正しくありません。ストルバイトの原因が膀胱炎の発症ではありませんし、膀胱炎の原因がストルバイトの発症でもありません。原因が同じではありますが、どちらかがどちらかを誘発していると言うわけではありません。
と言う事で、本来は酸性を維持しないといけない尿のpHがアルカリ性に傾く事によって、ストルバイトや膀胱炎を発症すると言う流れになります。それでは何故、尿がアルカリ化するかを説明していきたいと思います。




尿がアルカリ化する原因。
犬や猫の尿のpHですが本来は酸性です。
但し、食べ物を食べると胃酸が分泌され、胃酸が分泌されると尿がアルカリ性に傾くと言ったシステムになっています。特に食べ物に含まれるたんぱく質の分解に胃酸を多く必要とする為、たんぱく質の多い食事を摂取すれば胃酸の分泌量も多くなり、尿のpHは大きくアルカリ性に傾く事となります。
ですので、食事を摂る前の空腹時には酸性であった尿のpHが、食事を摂る事によってアルカリ性に傾きます。また、その傾き具合も、たんぱく質の摂取量が多ければ多い程、大きくアルカリ性に傾きます。
そうなると、食事を摂る事自体がストルバイトや膀胱炎の原因になるとお思いになられる方もおられると思いますが、当然の事ながら食事を摂らないと生きてはいけません。また、食事を摂った後、時間が経過して胃の中が空っぽになると、胃酸の分泌が治まり、尿のアルカリ化はストップして、尿のpHは徐々に酸性に戻って行きます。
ですので、食事を摂る際のポイントは2つあり、1つはたんぱく質を摂取し過ぎない事。その為には、高たんぱくなフードを与えない事と、食事の量を与え過ぎない事が大切です。
また、もう1つのポイントは食事と食事の間の時間をしっかりと空ける事です。

ここで少し具体的な数字を使って説明をしますと、本来あるべき尿のpHは犬猫共に6.0前後です。ですが、食事を摂ると胃酸が分泌されて、一時的に尿のpHは7.0程度まで上昇します。しかし、数時間後には胃が空っぽになり、尿のpHは食事前の6.0前後まで下がってきます。そして、尿のpHが6.0前後まで下がった状態で次の食事を迎える事が出来れば、これの繰り返しとなり、尿のpHが7.5以上になる事は無く、ストルバイトや膀胱炎の発症を抑える事が出来ると言う訳です。

ですが・・・・。

今回はここまでとなり、次回のコラムではストルバイトや膀胱炎を発症させてしまうケースについて説明をしたいと思います。

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