猫の肥大型心筋症について
猫の3大疾患のひとつ。
猫にとってとても恐ろしい病気の代表格は慢性腎臓病ですが、その次に多いのが甲状腺機能亢進症です。
そしてもうひとつ注意が必要な病気が肥大型心筋症。もちろんそれら以外にも、リンパ腫や糖尿病、尿石症など注意が必要な病気は沢山ありますが。
この肥大型心筋症の恐ろしい点が、他の病気とは違って症状が出にくい事です。そして一般的な診察では見つかりにくいと言う点も非常に厄介です。
例えば、慢性腎臓病であれば、嘔吐や多飲多尿などの症状があり、体調不良を理由に血液検査を実施すれば診断が可能ですし、甲状腺機能亢進症の場合は、食欲があって元気なのに体重が落ちるなどから、ホルモン測定の検査をすれば発覚します。
しかし肥大型心筋症は殆ど症状が出ません。心臓疾患であるにも関わらず聴診での雑音が確認されない場合も多い為、病状が悪化して症状が見られるようになった時には既に命の危険が。なんて事もあります。
肥大型心筋症とはどのような病気?
肥大型心筋症は簡単に言えば、心臓の筋肉(壁)が分厚くなって、心臓内の空間が狭くなってしまう病気です。
コップも同じ大きさであれば、厚みが薄い方が容量が大きくなり、分厚くなると中身があまり入らないですよね。
それと同じで心臓の筋肉(壁)が分厚くなる事で、取り込める血液の量が少なくなり、全身に十分な血液が送れなくなってしまいます。
その結果、肺水腫や血栓塞栓症などに繋がる恐れがあるのですが、先にも述べました通り目立った症状が出ないのが肥大型心筋症の怖いところです。
その為、元気に見えていた子が突然亡くなるケースがありますが、この多くが肥大型心筋症が原因となります。
そんな恐ろしい病気である肥大型心筋症ですが予防法はあるのでしょうか?
肥大型心筋症の予防法は?
結論から申し上げますと、肥大型心筋症に予防法はありません。また、治療法もありません。
ですが、肥大型心筋症によって引き起こされる可能性がある肺水腫や血栓塞栓症などの予防は投薬によって可能な場合があります。
目立った症状が出ない為、初期段階での発見は非常に難しいですが、咳をしていたり呼吸が速くなっているなどの症状があれば、まずは主治医に相談をなされる事をおすすめ致します。もしくは、定期的に画像診断で心臓の状態を確認をしておくのも良いでしょう。
また、当たり前の事ですが、体重超過(肥満)は心臓に大きな負担を掛けてしまいます。太っているから肥大型心筋症になる訳ではありませんが、肥大型心筋症を患った際に、太っているか否かでは大きな違いが生じます。
健康な時から体重には注意をして、食事をしっかりと管理する事は飼い主として最低限の責任です。
「欲しがるから与える」は愛情とは言えません。我慢させる事も愛情です。くれぐれもご注意ください。
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