獣医師監修の記事だからって正しいとは限らない!
インターネットで犬や猫の事を調べていると良く目にするのが「獣医師監修」と言う言葉。実在する動物病院のホームページ上では無く、ペットフードメーカーのサイトや、保険会社のサイト、ペットフードランキングサイトなどに良く見かけます。確かに「獣医師監修」と書かれていると信用性が高そうに感じますが、失礼ながら「獣医師=正しい」とは限りません。獣医さんも人間です。スーパーマンではありませんので、間違った事を言う方もおられますし、勘違いをなされている場合もあります。ですので、獣医師の監修によって書かれた記事の内容が必ずしも正しいとは限りません。例えばこのような事を書かれている記事がありました。
「猫は生後6ヵ月頃までに食べた事が無い食べ物は、食べなくなるといわれています。」
この記事では、愛猫がウエットフードを食べてくれないと言う相談による獣医師の回答でしたが、生後6ヶ月頃までにウエットフードを食べた事が無い猫は、ウエットフードを食事と認識しないと言う見解でした。衝撃ですよね。と言う事は、世の中からドライフードが無くなり、ウエットフードしか無い状態になると、その猫は食べる物が無くなると言う事ですね。でも実際は、生後数年の間に食べた事が無いウエットフードでも、食べさせようと思えば食べますよ。
獣医師監修の記事で一番迷惑なのがこれ!
本当に多い。多過ぎる。この手の内容の記事が。
「水の飲む量が少ないと尿石症(尿路結石)や膀胱炎になりやすい。」
このような記事を掲載しているサイトの運営者には、この手の記事を読み、飼い主様の誤った対処法で結石や膀胱炎を再発させてしまっている犬猫達がどれだけ居てるかを改めて考えていただきたいです。当店では幾度と無くコラムなどで尿路結石の原因は水分摂取量では無く食生活である事をお伝えしております。1日3回以上の多過ぎる食事回数や、置きエサによるダラダラ食い、間食の与え過ぎなどによる空腹時間の短さが、尿石症(尿路結石)や膀胱炎になりやすい原因です。ですが、獣医師監修の記事で、水の飲む量が少ないが為に尿路結石になったと思った飼い主様は、愛犬や愛猫に水分を摂らせようとします。とは言っても犬や猫に「頑張って水を飲んでね!」と言っても飲んではくれません。その為、鶏肉や鰹節で出汁をとって飲ませようとしますが、そのような行為が余計に尿石症(尿路結石)や膀胱炎発症のリスクを高める事となります。また、水分含有量の多いおやつで水分を摂取させようとして、食生活が乱れてしまう事によって尿石症(尿路結石)や膀胱炎を再発させてしまうケースも多いです。とにかく水分摂取量は関係ありませんので、無理に水分を摂取させようとはしないようにお願いします。
「猫 水 飲まない」で検索してはいけません!
インターネットを使用して「猫 水 飲まない」や「犬 水 飲まない」などで検索すると物凄い数の記事(サイト)があるのが分かります。でも殆どが同じ内容です。中には「獣医師監修」の文字も見かけます。ですが、書かれている内容はと言うと、「水を入れたお皿を家中の数か所に設置する」や「電動の自動給水器を使って流れる水を用意する」や「水が美味しくなる陶器の食器を使用する」など。結局、そんな事をしても飲む量が変わるのは一時的。水を飲まない食生活をしていれば何もしても水は大して飲みません。水を飲んで欲しければお腹を空かせれば良いのです。もちろん必要な食事を無理に抜くのでは無く、必要の無いご褒美やおやつを与えないようにしていただければ良いのです。食事を朝晩2回に限定して、食べ残しは置きエサをせずに直ぐに片付ける。食事と食事の間にお腹を空かせて食べ物を催促しに来ても何も与えてはいけません。そうすれば空腹を紛らわせるかのように水を飲んでくれます。人間でも遭難をして飢えをしのぐ為には水を飲みますよね。ですので、「猫 水 飲まない」などで検索をしてもお悩みの解決には繋がりません。まずは目の前の食生活を見直す事から始めてみましょう。