食べない原因は他にある!
猫に多い慢性腎不全。多いと言うかほとんどの猫が加齢とともに患います。その猫の慢性腎不全をインターネットで調べると、「多飲多尿」「食欲不振」「嘔吐」などが代表的な症状であると言う事が分かるかと思います。その為、動物病院で「初期の腎臓病」や「軽度の腎不全」と診断された飼い主様は、下記のような内容で当店にお問い合わせをいただく事が多いです。
「先日、健康診断で初期の腎臓病と診断されました。腎臓病対応のフードを与えたいと考えていますが、腎臓病の影響により食欲があまり無く、腎臓病対応のフードを食べてくれません。何か良い方法や、良いフードはありませんか?」
言葉は違えど、同じような内容のご質問を非常に多く頂戴致します。ですが、、、、、
本当に食欲不振なの?
確かに腎不全を患うと食欲が低下して、何も食べる事が出来なくなります。そう!何もです。腎不全による食欲不振を舐めてはいけません。本当に何も食べる事が出来なくなるのです。それ程しんどくなる病気です。そして、そのような状態に陥るのは腎臓病の末期です。「初期の腎臓病」や「軽度の腎不全」では食欲不振にはなりません!例えば、BUN(尿素窒素)の値が60台や80台程度、クレアチニンの数値が2.6や2.8程度であれば、確かに「初期の腎臓病」や「軽度の腎不全」と診断がくだされるかと思いますが、何も食べる事が出来ない程の食欲不振にはならないはずです。ですので、「いつも食べているフードは食べるけれど、腎臓病対応のフードは食べてくれない。」や「数種類の腎臓病対応のフードを試してみたが、食べるのは初めの一口だけだったり、ニオイを嗅ぐだけで一口も食べないフードもあった。」などは、食欲が無いとは言いません。それは腎不全による食欲不振では無く、若い頃から甘やかして育てて来た事によるワガママです。
長生きをしてほしいのであれば厳しくしないと!
腎臓病の治療は何と言っても食事療法です。投薬をして治るような病気ではありません。1日でも長く一緒にいたいのであれば、食事を徹底するしかありません。腎臓病の場合は、「病気だから甘やかして食べたい物を食べさせる」と言ったような事は通用しません。食べるフードを探すのでは無く、探したフードを食べさせてください。過去のコラム●「愛猫が腎臓病になったので食べるフードを探している方へ!」でも書きましたが、食べるフードを探すのでは無く、探したフードを食べさせるには、ご愛猫に選択肢を与えない事が大切です。沢山のサンプルを取り寄せたり、小さなサイズの製品を買っては諦めるなどのような事はしてはいけません。
尚、「猫は好き嫌いが激しい」や「猫は同じフードを続ける嫌がる」や「猫はちょこちょこ食べしか出来ない」などは誤った情報であり、間違った飼い方(食事の与え方)や甘やかしが原因です。病気になってからでも食生活を見直す事は可能ですが、出来れば若い健康な頃から、規則正しい食生活を実践し、好き嫌いをしない子に育ててあげてくださいね。