蛋白漏出性腸症って?
「たんぱくろうしゅつせいちょうしょう」と読みます。蛋白喪失性腸症(たんぱくそうしつせいちょうしょう)とも呼ばれます。
発症の原因は幾つか考えられますが、腸からたんぱく質が漏れ出てしまう為に、血液中のたんぱく質が低下してしまう文字通りの疾患です。
結果、低たんぱく血症や下痢、軟便、浮腫、腹水、食欲不振、体重減少などが見られます。
また、蛋白漏出性腸症の診断を受けた際に、炎症性腸疾患(IBD)やリンパ管拡張症の指摘を受ける事も多いですが、基本的な原因は同じと考えて良いと思います。
それでは、その基本的な原因とは何なのかを考えて行きましょう。
蛋白漏出性腸症の原因は?
表現が難しいのですが、炎症性腸疾患(IBD)やリンパ管拡張症などを発症すると、結果的に蛋白漏出性腸症に陥ると言った感じになるとお考えください。。
ですので、蛋白漏出性腸症の原因を探ると言うよりは、どうして炎症性腸疾患(IBD)やリンパ管拡張症を発症してしまったのかを考える事が大切になります。
もちろん先天的な要因があったり、リンパ腫が原因の場合もありますので、言い切る事は出来ないのですが、炎症性腸疾患(IBD)やリンパ管拡張症の多くの原因は腸の炎症です。
そして、腸の炎症の原因の大半は食生活です。動物病院では炎症性腸疾患(IBD)やリンパ管拡張症は予防が出来ないと表現する事が多いですが、実際は正しい食生活が予防方法となります。
蛋白漏出性腸症の予防方法は?
蛋白漏出性腸症に陥ると血中のたんぱく質濃度が低下する為、動物病院ではたんぱく質の補給を目的に高たんぱくのフードを推奨する事が多いですが実は逆です。
そもそも蛋白漏出性腸症の根本的な原因である腸の炎症は、口から摂取したたんぱく質を腸が処理し切れなかった事によって引き起こされます。要するに腸のオーバーワークが原因で、その原因はたんぱく質の過剰摂取であると言う事です。
ですので、摂取するたんぱく質の量を制限する事はもちろん、摂取する回数を制限する事も大切です。また、腸がたんぱく質の処理をしやすいように消化酵素(たんぱく質分解酵素)を補給する事も重要です。更に、腸の環境を整える目的で乳酸菌の摂取もおすすめです。
まとめますと、たんぱく質の過剰摂取にならないように適度なたんぱく質含有量のフードを量や回数を与え過ぎず、もちろん間食は控えて、消化酵素と乳酸菌の補給が蛋白漏出性腸症の予防方法となります。
経験上、蛋白漏出性腸症や炎症性腸疾患(IBD)、リンパ管拡張症でお悩みの場合は、置きエサで食事量を制限せずに与えていたり、高たんぱくなグレインフリーフードを与えていたり、フードに肉類のトッピングをしていたり、おやつやご褒美を与え過ぎていたり、手作り食を与えていたりするケースが多いです。くれぐれもご注意ください。