ドライフードが嫌いだから食べないのではありません!



みんな最初はドライフードが大好きなんです!
「うちの子はドライフードが嫌いで食べません。。。」と言う方。考え方を変えましょう。本当はドライフードが嫌いな子なんていないんです。美味しいご馳走なんです。だってみんな生後1ヶ月ほどで親のお乳から離れて離乳食を食べだします。そして無事に離乳が出来ればドライフードをふやかして食べるのです。そう、無我夢中で。みんな凄い勢いで食べます。ペットショップでの生体販売には反対ですが、一度ペットショップの子犬や子猫のご飯の時間を見に行ってみてください。ショップ店員さんがご飯の用意を始めるとみんな一斉に鳴きだします。今までガラス越しのお客様の方を見ていた子達が全員お客様にお尻を向けます。そしてお皿が目の前に来ると数秒で完食します。ペットショップ出身のあなたの愛犬や愛猫もペットショップに居てる時はドライフードが大好きだったのです。




我が子がおうちに来た頃の事を思い出して!
ショップやブリーダーさんのところからおうちにやってくるのは生後2ヶ月位でしょうか。その頃は、ほぼ全ての飼い主様がショップ店員さんやブリーダーさんに言われた事をしっかりと守り、ご飯はドライフードをふやかして、粉ミルクやサプリメントなどを加えて与えます。留守番や寝る時は指示されたようにケージに入れて、人間の食べる物は与えず、健康に育って欲しいと願って毎日過ごします。しかし、いつの頃からか、ケージは物入れになったり撤去したり、人間の食事の際につまみ食いをさせたり、ご飯は食べないからと言ってお肉や野菜をトッピングするようになったり。またまた、テレビのコマーシャルやバラエティ番組を真似しておやつを与えたりするように。思い出しましょうよ。ケージを使わないといけないとは思いませんし、おやつを与えてはいけないとも言いません。ただ、食事はあの頃のように「規則正しく」が今でも大切です。




あの頃はドライフードが一番のご馳走だったはず!
あんなに好きだったドライフードを何故食べなくなったのでしょう。思い当たる節はございませんか?原因はあなたですよ。犬や猫の好みが変わったのではありません。皆さんが良く使われる言葉の「飽きた」のでもありません。答えはひとつ、あげ過ぎなんです。ドライフードよりも美味しい物を。肉や魚、ヨーグルトやパン、焼き芋や果物、そして犬猫用のおやつ。全部ドライフードよりも美味しいんです。そんな物を与えてしまうとドライフードを食べなくなって当然です。自分のご飯の時間に出てくるドライフードよりも、他の時間に出てくる食べ物の方が美味しいんですから。でも、そんな食生活を長く続けていると・・・。




結局はドライフードに戻るんです!
今、このコラムを読んでいただいている方の中にも、「そうそう。うちもそうだった」「あの時にちゃんとしてあげていたら。。。」とお思いの方もおられるでしょう。食生活の乱れによる弊害は、早ければ2歳頃から、遅くても10歳前後には出てきます。代表的なのが、尿路結石や膀胱炎、腎不全や肝臓疾患、急性膵炎など。どの疾患も治療には食事療法が必要になります。薬だけでは治りませんし、すぐに再発します。その食事療法には主にドライフードを使用します。ウエットフードを使用する場合もございますが、今までのような食べ物を口にする事は出来なくなります。決してドライフードが「最高の食事」と言うわけではありませんが、「必要な食事」である事は間違いありません。「不要な食事」ばかりを与えて、「必要な食事」をおろそかにしていると後悔をする事になりますよ。ご注意ください。