猫の便秘の原因をお教え致します!
猫の便秘の原因が水分摂取不足って本当?
インターネットで「猫 便秘」で検索すると、まぁ見事に殆どの記事で「猫の便秘の原因は水分摂取不足」と書かれています。更にその理由が、「猫のルーツは砂漠で生活していた為、元々あまり水を飲まない傾向がある。その為、便の水分が減少して便秘になってしまう。」と。正直言って「なんじゃそれ?」ですよ。更にそのような記事には「獣医師監修」と。元々水を飲まない習性なのであれば水を飲まなくても便秘にはならないのでは?と思いますけど。逆に「元々水を沢山飲む習性なのに、家にいる猫は水をあまり飲まないので便秘になりやすい。」と言うのならまだ分からなくはありませんが。「獣医師監修」って言葉も「当社比」や「当社調べ」レベルで信用にならない言葉ですけどね。ちゃんとした獣医師ならこんな事は言わないでしょうね。また、先日のコラム「これは獣医さんに言われてもやっちゃだめ!」でも書きましたが、水は無理に飲ます必要はありません。飲まないのは「足りている」から。必要があれば自ら飲みますので。
便秘の解消にはグレインフリーフードが良いって本当?
これも良く見かけますが、正直関係ありません。逆にたんぱく質含有量が高すぎるグレインフリーフードは便秘を悪化してしまう可能性があります。原因は腸内環境の悪化です。猫は確かに肉食動物ですが、肉食動物は「お肉も食べる」動物の事です。「お肉だけを食べる動物」ではありません。お肉を食べ過ぎる事により、腸内の悪玉菌が増殖して腸内環境が悪化し、便通が悪くなる傾向があります。お肉以外にもバランス良く、炭水化物や繊維質も摂取しないといけません。とは言っても、余程の栄養の偏りがあるグレインフリーフードで無ければ問題ありません。便秘の原因は、どのようなフードを与えているかでは無く、実は別の原因が大きく影響しているのです。
腸が活発になる時間を作ってください!
食べた物はまず胃で消化されます。そしてそれを十二指腸へ送り出して、その後小腸を通過して大腸に到着して便となります。大腸では便の水分を吸収(調節)しますので、大腸での滞在時間が短い便は水分の多い軟便に、滞在期間の長い便は硬くて出にくい便になります。便秘ですね。この硬くて出にくい便を作り出してしまう、長時間の滞在原因が胃の酷使です。すなわち便秘の原因は胃の酷使と言えると思います。胃が空になった時ほど腸は活発に働くと言われています。ご飯(フード)や間食(おやつ)をダラダラ食べていると、いつまでたっても胃は空にならず、腸の働きは静かなままです。そうすると、大腸に滞在している便は必要以上に水分を搾り取られ、硬くて出にくい便になってしまいます。人間も同じで意外とダラダラと食べ過ぎてしまうと便は出にくく、半日~1日程度断食をすると便が出やすくなると言われています。便秘でお悩みの猫の場合も、食生活をお聞きすると、大半が「置きエサによるダラダラ食い」や「一日数回のおやつ」、「朝方の空腹嘔吐を防ぐ為の寝る前の夜食」などが。結石や膀胱炎の予防としても当店では1日2食を推奨していますが、実は便秘解消にも1日2食が大切になるのです。食生活は規則正しくお願いします。