犬の外耳炎の治し方



外耳炎とは?
数年前にも当コラムで外耳炎について書いた事がありますが、ここ最近外耳炎についてのお問い合わせが続きましたので改めて書きたいと思います。

人間にもある外耳炎。字のごとく耳の外側(鼓膜より外側)の炎症です。外耳炎になると、外耳部分が赤く炎症して、茶褐色の耳垢が発生し、痒みと臭いが伴います。その結果、首を良く振るようになったり、後ろ足で首元を頻繁に掻くようになります。それでは次に何故、外耳炎を患ってしまうのかを考えていきましょう。




外耳炎の原因はこれ!
外耳炎の原因は、外耳部分に細菌やマラセチアと言うカビの一種(真菌)が異常発生(繁殖)する事によります。異常発生の理由は湿気です。お風呂場にカビが発生しやいのと同じで、外耳部分がジメジメしていると菌が増殖して外耳炎になりやすいです。その為、垂れ耳の犬は外耳炎になりやすと言いますが、残念ながらそれは違います。垂れ耳でも外耳炎にならない子はなりません。立ち耳でも外耳炎になる子はなります。根本的な原因は食生活にあります。誤った食生活が原因で外耳部分がジメジメしてしまうのです。




こんな食生活は外耳炎になりやすい!
動物病院で外耳炎の原因は、「何かのアレルギーかも知れませんね~。」と言われた事がある方もおられると思います。外耳炎以外にも、下痢や軟便、皮膚の赤みや痒みでも最近の獣医師はすぐにアレルギーと言う言葉を使いますが、実際にはアレルギーはそんなに多くはありません。また、本当のアレルギーはもっと厳しいものです。それなら外耳炎の原因は何かと言いますと、大半の場合が「グルテン不耐症」です。グルテン不耐症とは、主に小麦に含まれるたんぱく質であるグルテンを上手く消化出来ない事によって、免疫が過剰な反応を起こし、アレルギーのような症状を引き起こす事を言います。ですので、パンやクッキー、ビスケットなどの小麦粉を使用した製品を食している犬は外耳炎になりやすいです。もちろん小麦を使用したフードを食べている場合もです。犬用と書いてあっても全ての製品が犬にとって安心とは言えませんのでくれぐれもご注意ください。




小麦以外でも同じです!
小麦に含まれるグルテン以外でも、上手く消化を行えないまま腸に食べ物が届くとアレルギーのような症状が出やすいです。慢性的なアレルギーに似た症状の、外耳炎や下痢、軟便、皮膚の赤みや痒みなどの解消には、鶏や牛などの「何を食べたか」は問題では無く、「食べた物をいかに上手く消化出来るか」が重要です。それらの症状でお悩みの際は、食べた物を上手く消化が行えるような食生活をお心掛けください。その為には、消化酵素(食物酵素)の摂取が必須です。サプリメントや非加熱のフリーズドライ製法のフードなどで消化酵素を補っていただく事をおすすめ致します。ちなみに、一般的なアレルギー検査は、即時型アレルギーのアレルゲンを調べる検査ですので、慢性的なアレルギーに似た症状の原因とは全く関係がありません。ご注意ください。