去勢後の猫の食事について
雄猫の去勢手術について
まずはじめに、なぜ雄猫は去勢手術をする必要があるのかをお話ししたいと思います。去勢手術とは雄猫の睾丸(精巣)を摘出する手術の事を言います。手術当日の午前中に動物病院に預け、夕方に迎えに行くケースが多く、大半が日帰りの手術になると思います。ですので、猫にとっても比較的に負担の少ない手術だと思われます。但し、術後は数日間、患部を守る目的で首にカラー(エリザベスカラー)を装着する事が多いので、これがかわいそうではあります。ですが、去勢手術をする事によって、性欲によるストレスから解消され、穏やかな日常生活を送る事が出来るようになります。また、睾丸(精巣)を摘出しますので、睾丸(精巣)腫瘍になる可能性が無くなります。もちろん去勢手術は「強制や義務」ではありませんので、飼い主様の判断次第となるのですが、個人的には雄猫の去勢手術には賛成です。また、日本では引き取り手の無い多くの猫が人間の手によって命が奪われています。望まれない妊娠を防ぐ為にも去勢手術をお願いしたいです。
去勢手術をすれば太るの?
よく言いますよね。去勢手術をすると太りやすくなるので注意が必要ですと。確かにそうかも知れません。去勢手術をする事によって、性格が穏やかになりますし、寝る事が多くなります。その結果、消費エネルギーが減るので太りやすくなると言えばそうかも知れませんね。また、性欲によるストレスがなくなりますので、食欲が旺盛になります。但し、間違ってはいけない事は、太りやすい体質になるわけではありません!消費エネルギーが減るのであれば、摂取カロリーを減らせば良いですし、食欲が旺盛になろうが、飼い主様が食事量をしっかりと管理してあげれば良いだけです。ですので、「去勢したから太ってるのよ~。」は単なる言い訳です。
去勢手術後のフード選びはどうすれば?
去勢手術をしたことによって、消費エネルギーが減り、食欲が旺盛になったとしても、食べさせる量を間違わなければ太る事はありません。但し、少しでも多くの量を与えたい場合は、低カロリーのフードや、去勢避妊済みの猫用のフードとして使用する事が多い「ステアライズド」をお選びください。但し、ステアライズドのフードは、脂肪分や炭水化物を抑えていますので太りにくいフードではありますが、たんぱく質の含有量が高い傾向がありますので、尿のアルカリ化の原因にもなりやすいです。量を多い目に与えたり、食事回数が多過ぎたりしますと、尿路結石(ストルバイト結石)や膀胱炎の発症に繋がりますのでご注意ください。与える量や回数を制限する事が出来ない「置きエサ」に食生活の子の場合はステアライズドのフードのご利用はお控えいただく方が良いでしょう。尚、基本的には去勢手術後も通常のフードで問題はありません。パッケージ記載の給与量を気にし過ぎたり、必要摂取カロリーを気にし過ぎて、フードの与え過ぎにならないように注意しましょう。
せっかくの去勢手術を無駄にしないで!
性欲によるストレス解消や睾丸(精巣)腫瘍にならないように行った去勢手術によって、結果的に太らせてしまう事が多いです。せっかく愛猫の健康維持を目的に行った手術なのに、フードやおやつを与え過ぎて太らせてしまい、糖尿病や肝リピドーシスになってしまわないようにくれぐれもご注意ください。尚、去勢後の猫は常にお腹が空いているとお考えください。ですので、フードやおやつは催促されたからと言って与えるようではいけません。催促をすれば貰えると思うと余計に催促は増えます。逆に催促をしても貰えないと思えば催促はしなくなります。常にお腹が空いているのが普通です。食事が足りないのが普通です。大切な子であれば太らせないようにしてあげてくださいね。尚、ここでは猫について書いていますが、犬の場合も同じです。「去勢したから太ってるのよ~。」は言い訳ですよ。