それって良い事ですよ!
水は飲まない方が良い!
「うちの子はあまり水を飲まないので心配です。」
このお悩みがめちゃくちゃ多い!何故、水を飲まない事がそれほどまで心配になるのかですが、おそらく尿路結石や膀胱炎などの診察や治療の際に獣医師が「水の飲む量が少ないからですね。」「水を沢山飲ますようにしてください。」「水の飲む量が少ないと危ないですよ。」などと誤った情報を飼い主様に伝えている事や、犬や猫の健康に関する雑誌やインターネット上などの記事で「1日の必要水分量は●●ml」などと書かれている事によると思います。ですが、実際は水の飲む量が少なくても尿路結石や膀胱炎にはなりませんし、水を飲む量が多いからと言って尿路結石や膀胱炎の予防にはなりません。結局は、尿路結石や膀胱炎と水分摂取量は何ら関係が無いと言う事です。また、健康状態に問題があり、水を飲む量が少なくなる事はありませんが、水の飲む量が多くなる事はあります。結果、水を飲まない事は心配する必要がありませんが、水を沢山飲む事は心配をしてあげてくださいね。また、食事の際に水を沢山飲ませようとする方がおられますが、口から食べて胃にたどり着いたフードは、胃液(胃酸)によって消化しやすい形に変えられて、胃液に含まれる消化酵素により分解されます。ですが、フードと一緒に水分を摂り過ぎると胃液が薄まり、胃酸や消化酵素の働きが弱くなります。ドライフードをふやかして与える方が消化が良さそうに思いがちですが意外と逆なのでご注意ください。
トイレの回数は少ない方が良い!
「うちの子はトイレ(排尿)の回数が少ないので心配です。」
これも多いです。これも尿路結石や膀胱炎を防ぐ為には、「しっかりと水分を摂取して尿量を増やす事が大切!」と言う考えから来ているかと思われますが、トイレの回数が少ないことを心配して、家中の数か所にトイレを設置したり、抱っこをしてトイレまで連れて行ったりする方がおられます。そんな事をする必要はありませんし、トイレの回数が少ない事を心配する必要はありません。また、トイレの回数が少ない事が原因で尿路結石や膀胱炎になる訳ではありませんし、トイレの回数が多ければそれらを予防出来る訳ではありません。いつも言うように、尿路結石や膀胱炎の原因は多過ぎる食事回数や長過ぎる食事時間です。水を飲む量やトイレの回数で予防出来る訳ではありません。逆に様々な病気の症状として「多飲多尿」と言う言葉がありますが、水を飲む量が多かったり、トイレの回数や尿量が多いのは、身体に異変がある可能性がありますのでくれぐれもご注意ください。トイレの回数は多いよりは少ない方が良いのですよ。但し、犬猫共に腎臓病を発症した際は、皮下点滴(補液)を行うなどで、尿量を増やす事は大切になります。
毛玉は吐いた方が良い!
この時期に多いのが猫の毛玉による嘔吐へのお悩みです。犬との生活経験しか無い方からすると「猫って毛玉を吐くの?」ってお思いになられるかと思いますが、猫は本当に毛の塊を吐きます。吐かない子もいますけどね。暑くなり出すと猫は、あの小さな体からは想像が出来ない程に毛が抜けます。そして猫は自分の体を綺麗に舐めまわす習性があるので、その抜け毛を飲み込んでしまうのです。その飲み込んだ毛が胃の中で塊となってそれを吐く事があります。これは悪い嘔吐では無く必要な嘔吐なので心配する必要はありません。但し、吐かなくても排便と一緒に排泄する子もいますので、吐かないからと言って心配する必要もありません。ですが、飲み込んだ毛を吐く事が無く、排便と一緒に排泄する事も無く胃の中に溜まり続けて大きな塊になってしまう事があります。このような時には食欲不振になりますので、診察を受ければすぐに分かると思います。また、このような事態を防ぐ目的で複数の製薬会社から関連商品が発売されておりますが、身体に与える影響を考えますと、あまりご使用をおすすめは致しません。そして、胃の中に毛が溜まり続けてしまう原因は空腹時間の短さです。胃の中の食べ物が空っぽになって、毛玉のみの状態になると胃が刺激されて毛玉を吐きます。ですので、毛玉を吐くタイミングはお腹が最も空いている朝食前が多いです。ですが、置きエサをしていたり、食事回数が多かったりすると、常に胃の中に食べ物があり、胃が刺激されずに毛が溜まり続けてしまいます。ですので、製薬会社から発売されている製品に頼りがちな猫はダラダラした食生活を行っているケースが多いです。常にお伝えしておりますが、置きエサや多過ぎる食事回数によるダラダラ食いに良い事などひとつもありません。どうか1日2食の徹底を宜しくお願い致します。