成長期の子猫への正しい食事の与え方!
実際に数多くの子猫を見て来た結果!
私事ですが、行き場の無い猫達を保護して、里親を探す活動をなされている方へのお手伝いとして子猫の預かりボランティアをさせていただいております。産まれて間もない子の場合はミルクを与える事から始まり、ある程度育っている子であればフードを与えて譲渡会の日が訪れるのを我が家で待っています。その為、うちの子では無い子猫が常に数匹、家に居てる環境になっています。ですので、年間に数十匹の子猫と一時的に暮らす事になるのですが、実際にどのような食事の与え方をしているかをご紹介したいと思います。子猫販売をしているペットショップの店員や動物病院、書籍やインターネットなどで紹介されている方法とは少々違っておりますが、実際に行っている食事方法ですので是非、参考にしていただければと思います。子猫の頃からの食生活が習慣化される傾向が強いので、子猫の頃の食事の与え方がとても重要になります。
一般的に紹介されている食事の与え方は。
子猫をペットショップで購入なされた際には店員から、「生後半年程度までは1日に3回~5回程度に分けて食事を与えてください。」や「1歳の誕生日までは1日に3回以上に分けて食べさせてあげてください。」などと、ある時期までは回数を多くして、その後は回数を減らすと言った食事の方法を紹介される事が多いかと思います。動物病院でも「子猫の間は数時間おきに回数を分けて食べさせなさい。」のような食事指導をする獣医師が多いです。ですが、生後2ヶ月程度で家に来てから数ヶ月間、1日5回以上や朝昼晩の3回などと食事を与えてしまうと、飼い主側の感覚でそれが常識となってしまい、いつまでたっても回数を減らす事が出来ずに、子猫の時期からの食事回数を大人(成猫)になっても続けておられる事があります。また、食事以外におやつを与えたり、1回の食事量が多過ぎたりなどで、食事への執着心が薄れ、フードを残すようになり、結果的に置きエサになっているケースが目立ちます。そうなると、当コラムをいつもご覧いただいている方はお分かりになられると思いますが、空腹時間の短さが原因となって、膀胱炎や尿路結石を患うようになったり、腸のぜん動運動が不活化し便秘になったりします。また、それらの原因が食事の与え方では無く、フードの内容にあると勘違いをし、フード選びに困った方が良くお使いになられる言葉の「フードジプシー」に陥る結果となります。大変失礼ながら、そのような方ほど「猫は肉食動物だから穀物は身体に悪い」のようなお考えでおられる反面、草食動物のようにダラダラ食べる事を許してしまっておられるように思います。1日何回も食事を摂るのは草食動物、数日に1回の食事を摂るのが肉食動物です。動物園のトラやライオンは毎日食事を摂りません。元来、猫も同じで毎日食事を摂る必要は無いのです。
成長期の子猫への正しい食事の与え方!
お待たせ致しました。前置きが長くなりましたが、成長期の子猫への正しい食事の与え方ですが、ここで言う「成長期の子猫」とは生後2ヶ月程度とお考えください。ペットショップなどの子猫販売は生後56日以上と定められています。生後2ヶ月程度の子猫を家に連れて帰って来たその日から、食事は1日2回でお願いします。そして与えるフードはお湯でふやかす必要はありません。ドライフードはカリカリのままで結構ですので、お皿に食べ切れない程度の多い目の量を入れて朝晩2回差し出してください。これがポイントです。フードパッケージには、生後2ヶ月の場合は「●●gを1日に5回」などと記載されていますが、生後2ヶ月から3ヶ月程度までは1回分の量を定めず、その時に食べる事が出来る量を食べさせてあげてください。但し、一度でもお皿から離れると、どれだけ残していようがその時の食事は終了です。それを朝晩2回行ってください。成猫にそのように量を定めず食べさせると「食べ過ぎ」となり体重超過に陥ってしまいますが、生後3ヶ月程度までは大丈夫です。1日2回の食事で1回の量は食べ放題で結構です。但し、先にも述べました通り、一度でもお皿から離れたら絶対にお皿は下げてください。そして次の食事の時間までは何も与えない。尚、生後3ヶ月を過ぎれば1回の量を定めて1日2回の食事をご継続ください。そうする事で、猫も飼い主様も「食事は1日2回」が習慣(常識)となります。結果、1日2回の食事の間の時間帯は猫から食べ物を催促してくる事はありませんので、「欲しがるのでついつい、いつまでも1日3回の食事を・・・。」と言う事にはなりません。
このような事を書いているのは当コラムだけだと思いますが、先にも述べました通り、年間に数十匹の子猫と暮らしている実績があります。そしてその子達を正しい食生活が送れるように育てて来た経験があります。決して机上の空論ではございません。1日2回の食事でしっかりと育ってくれます。小さい頃から1日2回の食事の徹底を是非おすすめ致します。これを実践していただくと、フードの選り好みをしない子に育ってくれて、腎不全など食事療法が必要になった際に「療法食を食べさせたいけど食べてくれない・・・。」なんて事にはなりませんよ。