缶詰(ウエットフード)の成分値の見方について



缶詰(ウエットフード)は低たんぱくですよね?
前回のコラム(ストルバイトの原因と予防について。膀胱炎も。 第五章)で下記のように書きました。

ドライフードに含まれるたんぱく質20%とウエットフードに含まれるたんぱく質10%では、ウエットフードの方が高たんぱくになります。これは製品に含まれる水分量が関係しており、ウエットフードは意外と高たんぱくな食事である事の認識が必要です。

この件について何人かの方からお問い合わせをいただきましたので解説をしたいと思います。

ドライフードに含まれるたんぱく質が20%で、ウエットフードが10%だとすると、ドライフードはウエットフードの2倍のたんぱく質が含まれているように見えますが、実際はそうではありません。その理由は水分量です。
ウエットフードに含まれる水分が全体の約80%に対し、ドライフードに含まれる水分は全体のたった10%程度です。その水分を除去した状態で比較すると、ドライフードの場合は約22%がたんぱく質で、ウエットフードの場合は約50%がたんぱく質となります。よって、ドライフードよりもウエットフードの方が高たんぱくな食事であると言う事を意識してご利用いただきたいです。
但し、たんぱく質含有量が少ないウエットフードもありますので、たんぱく質の摂取量を控えたい場合は、成分値をしっかりと確認をしていただいた上で、ウエットフード選びを行っていただければと思います。




糖質を制限したいのであればウエットフードを!
たんぱく質の摂取を制限するにはドライフードの方が有効ですが、糖質の摂取を制限するにはウエットフードがおすすめです。ドライフードは全体の約30%が炭水化物であり、糖質を多く含む事が分かります。ちなみに炭水化物とは糖質と食物繊維を合わせた総称ですので、「糖質+食物繊維=炭水化物」となります。
よって、全体の80%が水分であり、残りの20%がたんぱく質や脂質、繊維質で構成されているウエットフードは、炭水化物の含有量が少なく、低糖質食となりますので、糖質を制限したい時の食事としてはおすすめとなります。
但し、低炭水化物の食生活は健康維持や免疫力向上に役立つ食物繊維の摂取不足になりがちですので、別途サプリメントなどで食物繊維の補給を心掛けいただく事をおすすめ致します。ちなみに、成分表示にある「粗繊維」は食物繊維の含有量を表した項目ではありませんのでご注意ください。




ドライフードとウエットの量の違いは?
お悩みになられる方が多いのが、ドライフードとウエットフードの与える量の違いです。
例えば、今までドライフードを1日に40g与えていたとします。その一部をウエットフードに変えたい場合には、ドライフードを減らした3~4倍程度のウエットフードを加えるようにお願いします。具体的には、1日40g与えていたドライフードを1日30gに減らした場合は、減らした10gの3~4倍に当たる30g~40g程度のウエットフードを加えるようにお願いします。もちろん製品の違いや、ご愛犬やご愛猫の体調などによっては微調整が必要になってくる場合がございますが、おおよその目安としては、それ位の量でご利用いただければ結構です。宜しくお願い致します。