膿皮症や外耳炎の原因は何?
膿皮症や外耳炎の原因は何?
夏場に多い膿皮症や外耳炎。猫には全く無いとは言えませんが、圧倒的に犬に多いです。
代表的な症状としては、皮膚や外耳に強い痒みが生じます。中には寝る事が困難になるほどの強い痒みに襲われるケースもあります。他には患部に出血や膿を伴うただれが生じたり、かさぶたや脱毛が目立つようになったり、ニオイ(体臭)がきつくなったりと様々です。
また、これらの原因はブドウ球菌やマラセチアなどの常在菌の異常な増殖による事が殆どで、その常在菌の増殖の原因の大半が食生活です。
その原因となる食生活を理解していただければ、膿皮症や外耳炎がどうして猫には少なくて、犬に多いかが分かっていただけると思います。
それでは実際に、どのような食生活が原因になるかを説明していきたいと思います。
これらは絶対に与えてはいけません!
膿皮症や外耳炎の原因が常在菌の異常な増殖によるものだと説明をしましたが、その原因の多くが食物不耐症と薬理活性物質(仮性アレルギー)です。食物アレルギーとは異なります。
食物不耐症とは、特定の食べ物を上手く消化出来ない状態を意味します。上手く消化出来ない理由は消化酵素不足であり、代表的な食物不耐症は小麦によるグルテン不耐症と、牛乳による乳糖不耐症です。また、薬理活性物質(仮性アレルギー)は果物や野菜などの食品に含まれるヒスタミンなどが原因でアレルギーのような症状を引き起こします。
ですので、膿皮症や外耳炎の症状でお悩みの際は、パンやクッキーなどの小麦を含む製品や牛乳などの乳製品、果物や野菜は与えてはいけません。
また、食物不耐症や薬理活性物質(仮性アレルギー)は症状の原因に免疫システムが関与していませんので、血液によるアレルギー検査の結果は全く関係がありません。
よって、アレルギー検査の結果をもとにした除去食(食事療法)では症状の改善に効果が見られない場合が多いです。
参考までに、犬や猫に食物アレルギーは殆どありません。但し、食物不耐症や薬理活性物質(仮性アレルギー)は非常に多く見られます。
食物不耐症や薬理活性物質(仮性アレルギー)は免疫システムが関与していませんので、原因物質を摂取したとしても、その時の体調次第によって症状が出る時と出ない時がある為に、症状の原因として見落としてしまうケースが多いのでご注意ください。
結局は余計な物を与えない事が一番大切です!
ここまで来ると、膿皮症や外耳炎が犬に多くて猫に少ない理由がお分かりいただけるかと思いますが、猫にはパンや牛乳、果物や野菜をあまり与えません。ですが、犬にはそれらを与えているケースが非常に多いです。
また、犬用であったとしても、小麦を使用したクッキーやビスケット、パンやケーキなどは絶対に与えてはいけません。そもそも「犬用」「猫用」を信用し過ぎないようにお願いします。
「犬用に作られているから大丈夫」「猫用として売られているから安心」と言った見解は非常に危険です。
特に、ここ数年は健康を損なう恐れのある「くだらない製品」がとても多いです。売れれば良いと考えるメーカーの製品にはくれぐれもご注意ください。
「喜ぶから」「食べている姿が可愛い」「欲しがるから」などの理由でおやつを与えているときっと後悔する事になりますよ。
ですので、膿皮症や外耳炎でお悩みの際は、まずは良質なフードと消化酵素サプリメント(食物不耐症を防ぐにはこれが非常に大切です)、乳酸菌サプリメントを中心とした食生活を徹底し、余計な物は与えないようお願いします。
また、ステロイドの服用は膿皮症や外耳炎の症状を悪化させてしまう場合がございますのでくれぐれもご注意ください。