避妊去勢済み用フードには要注意!



避妊去勢済み用フードとは?
避妊去勢済み用フードとは、避妊手術や去勢手術後の肥満防止対策として販売されているフードとなります。
全ての避妊去勢済みフードが該当するわけではありませんが、その多くが肥満防止を目的に低脂肪となっており、その反面たんぱく質の含有量が多くなっています。確かに脂肪分の摂取を控えて、その代わりにたんぱく質の摂取比率を高めれば、引き締まった身体作りが出来るとは思いますが、その条件としては適度な食事量を守る事が大切です。
当たり前の事ですが、太りにくいとされる高たんぱく・低脂肪の食事でも食べ過ぎれば太りますからね。
また、高たんぱく・低脂肪のフードの食べ過ぎには、もうひとつ大きな注意点があります。




避妊去勢済み用フード使用時の注意点!
高たんぱく・低脂肪の避妊去勢済み用フードを与える際の大きな注意点が尿のアルカリ化です。
基礎知識として、食べ物を食べると胃酸が分泌され、その影響で尿はアルカリ性に傾きます。特に食べ物に含まれるたんぱく質の分解に胃酸を多く必要とする為、たんぱく質の多い食事を摂れば胃酸の分泌量も多くなり、尿のpHは大きくアルカリ性に傾きます。
尿がアルカリ性に傾くと言う事は、膀胱炎やストルバイトなど下部尿路疾患の発症リスクが高くなりますので、避妊手術や去勢手術後に避妊去勢済み用フードを与える時には注意が必要となります。
避妊去勢済み用フードを適切な量でご利用いただいていれば問題ございませんが、置きエサをして好きな量を食べる事が出来る環境を作ったり、1日3回以上の食事や間食を与えたり、パッケージに記載の量や摂取カロリーを意識し過ぎて与えたりしますと、高確率で膀胱炎やストルバイトを患う事になります。




そもそも避妊手術や去勢手術が原因では太りません!
多くの方が勘違いをなされていますが、避妊手術や去勢手術をしたからと言って太りやすい体質になる訳ではありません。失礼ながら勘違いをしている獣医師も多いです。なので、避妊手術や去勢手術後の食事指導で獣医師から「太らせないように低カロリーのフードを与えるように!」と言われた方も少なくは無いと思います。
確かに避妊手術や去勢手術をすると食欲は手術前よりは増します。だからと言って、勝手には太りません。当たり前ですが、食べ過ぎなければ太りません。
特に去勢手術前の雄犬は発情の影響で食が進まない事が多く、術後の食欲増加を喜んで食べ物を与え過ぎるケースが多いです。
結局は食欲が増した愛犬や愛猫の催促に負けて食べ物を与え過ぎるから太るのです。これが避妊手術や去勢手術をすると太ってしまう子が多い原因です。
ですので、避妊去勢済み用フードを使用しなくても、通常のフードであっても与え過ぎなければ太る事はありません。
与えるフードの量はパッケージ裏面や摂取カロリーを気にし過ぎず、適正な体重が維持出来る最低限の量を与えていれば大丈夫です。
それがパッケージ記載の給与量の目安の半分以下の量であってもです。ご安心ください。