尿のpHを下げたいなら食べさせるな!
尿のアルカリ化は膀胱炎やストルバイトの原因に!
当コラムでは何度も説明をして来ましたが、高たんぱく過ぎる食生活や、置きエサをしたり間食の与え過ぎなどのダラダラした食生活は尿がアルカリ性に傾き、膀胱炎やストルバイトの原因となります。
その為、繰り返す膀胱炎やストルバイトを解消する為には、間食は与えずに朝晩2回の食事を徹底する事が何よりも大切です。
また、「食いつき抜群!」や「犬(猫)本来の食生活!」のような謳い文句に釣られて、「お肉たっぷり!穀物不使用のグレインフリーフード!」を使用してしまいますと、食後の尿のpHが大幅にアルカリ性に傾き、1日2回の食事を徹底していても、膀胱炎やストルバイトを繰り返す可能性があります。
犬猫の健康を維持する為にはたんぱく質の摂取が大切ではありますが、頻繁や過度な量のたんぱく質の摂取は尿のアルカリ化に繋がりますのでくれぐれもご注意ください。
尿のpHを測定するタイミングは?
膀胱炎を繰り返したり、ストルバイト発症の経験がある犬猫の飼い主様の中には、ご自宅で尿のpHを計測している方も多いかと思います。その際に、1日2回の食事を徹底している且つ、適切なフードを食べせているのに、pHが思うような数値(弱酸性)を保ってくれない場合があります。
もちろん1日中、弱酸性を保つ必要は無いのですが、24時間の中で何度かは弱酸性を維持して欲しいところです。
ここで少し補足ですが、食後一時的に尿がアルカリ性に傾くのは大きな問題ではありません。食後のpHが7.5程度まで上昇していても大丈夫です。この時点で過度な心配は不要です。ですが、次の食事を与える直前の空腹時にはpHが弱酸性に戻って来て欲しいのです。
その為には、必要以上に尿がアルカリ性傾くような高たんぱくなフードを与えない事と、1日2回の食事を徹底し、空腹時間をしっかりと確保する事が大切です。
ですので、ご自宅での尿のpHの測定の際は、食後のアルカリ性に傾いているタイミングでは無く、出来る限り食前の空腹時でお願いします。また、病院で尿検査を受ける際も弱酸性を維持しているべき空腹時の尿で検査を受けるようにお願いします。
尿のpHが思うように下がらない時は!
適切な内容のフードを与え、1日2回の食事を徹底し、しっかりと空腹時間を確保しているにも関わらず、尿のpHが弱酸性に下がらない時は思い切って食事を抜いてください。
頻尿や血尿の症状が無ければ、頻繁に尿のpHを測定する必要はありませんが、膀胱炎やストルバイトが気になる時に尿のpHを測定し、食前にpHが高ければ1食~2食程度の食事を抜く事でpHは下がります。
尿のpHを測定していなくても、いつもよりも頻繁にトイレに出入りしていたり、排尿の姿勢になっても尿が出ていない状態が続いていれば、思い切って食事を抜いてください。1食や2食程度抜いても栄養失調にはなりませんのでご安心ください。それよりも尿のpHは食べなければ下がりますので、食事を抜く事でpHが下がり症状の緩和に繋がります。気になる場合は是非一度お試しください。