肝臓も腎臓も膵臓も一緒!



肝臓の数値が高い時は。。。
若い小型犬に多いのですが、肝臓の数値が高い子。
原因は飼い主様の甘やかしが大半です。殆どが同じパターン。
まず初めに陥る失敗が、トイレのしつけによるご褒美の与え過ぎです。小型犬の多くは室内でトイレをします。トイレで排尿をする度にご褒美でおやつを与えます。
トイレ成功のご褒美を1日に数回貰えるので、食事の時間にはあまりお腹が空いていないのと、食事(フード)よりもご褒美の方が美味しいので、食が進まなくなります。
その結果、食事の嗜好性をアップさせる目的でボイルした鶏肉を混ぜたり、フリーズドライの製品をほぐしてトッピングするようになります。結果的に食べるようになってくれたとしても、食生活は高たんぱく質に。
このたんぱく質に偏った食生活が肝臓の数値が上昇する原因です。高たんぱく質な食生活は胆泥症や胆石症などの原因にもなりますのでくれぐれもご注意ください。




腎臓の数値が高い時は。。。
腎臓病と言えば猫。と言ったイメージが強いですが、もちろん犬にも多い病気です。
「腎臓は消耗品」とも言いますが、悪くなれば治る事はありません。若い頃から如何に無駄遣いをしないかが大切です。
ここで言う無駄遣いとは何かと言うと、たんぱく質の摂取過多による腎臓のオーバーワークです。
若いから大丈夫と過信して、おやつを与え過ぎたり、お肉をたっぷりとトッピングをした食事を与えたりしていると、腎臓は早々に悲鳴をあげる事になります。
肝臓は数値が上昇してからでも間に合いますが、腎臓はそうはいきません。如何に若い頃から腎臓に負担を掛けない食生活が出来ているか否かで結果は大きく変わってきます。
好き嫌いをして食べないからと言って与えるフードを悩む前に、何故好き嫌いをするのか、どうして食べないのかをしっかりと考え直す事が大切です。




膵臓の数値が高い時は。。。
犬に多いのが急性膵炎。食事療法としては低脂肪食が推奨される事が多いですが、結局はバランスです。
低脂肪だからと言って高たんぱくではいけません。良くある間違いですが、急性膵炎の食事療法の際に、低脂肪のフードに鶏のささみや馬肉をトッピングするケース。
鶏のささみや馬肉が低脂肪の為、低脂肪であれば大丈夫と言う認識かと思いますが、たんぱく質の過剰摂取も膵臓に負担が掛かります。
膵臓の消化液の分泌を最小限に抑えられる食生活が急性膵炎にとって必要は食事療法となります。
その為には低たんぱく・低脂肪の食生活、更には食物酵素(消化酵素の経口摂取)が大切となります。如何に膵臓を休ませてあげられるかがポイントなります。

以上の事から、肝臓・腎臓・膵臓全てに対して高たんぱくな食生活は要注意となります。
但し、全ての高たんぱくフードを否定している訳ではありません。
高たんぱくフードを与える際は、たんぱく質の過剰摂取にならないように、必要最低限の給与量を意識してご利用いただく事をおすすめ致します。
逆に低たんぱくフードでも量を与え過ぎれば、結果的にはたんぱく質の過剰摂取になってしまいます。与える量の見極めも大切です。